品質評価のその先へ。信頼関係で実現する、総合IT企業への歩み

株式会社ProVision
採用戦略部 部長 大村 拓也氏(左)
取締役 兼 DXビジネスエンジニアリング事業部 事業部長 梨本 健太氏 (右)
ソフトウェアテスト・QA(Quality Assurance:品質保証)に特化し、品質を軸とした事業を展開してきたProVision様。多くの方が利用するサービスや、誰もが知るIPゲームなどのソフトウェアテスト・QAを中心に、システム開発、DX、プロモーションにも事業を展開しています。品質評価のプロフェッショナルとして確かな信頼を築いてきた同社は、「品質」を軸にお客様の課題解決へ挑み続けています。その進化を支えるのが、エクストリームとの信頼関係を基盤に活躍する技術者たち。総合IT企業として新たな価値創造を目指すProVision様と、エクストリームの共創の歩みについて、梨本様と大村様にお話を伺いました。
課題解決で品質を「守る」から「高める」企業へ

―御社の事業内容を教えてください。
梨本「株式会社ProVisionは、2005年に株式会社システナの子会社として創業しました。2025年に、エクストリームと同じく20周年を迎えます。
創業当初は、“ガラケー”と呼ばれていた国内メーカー製携帯電話の動作検証を中心に事業を展開していました。2014年頃、ガラケーとスマートフォンの市場シェアが逆転する転換期を迎え、当社もそのタイミングで事業構造を見直しました。検証の軸足をガラケーからスマートフォン向けのコンテンツやソフトウェアの品質評価へと移し、Web、ゲーム、そしてBtoB領域へと、事業領域を拡大して参りました。
近年は、単に“検証する”だけでなく、自ら作る・世に出す・運用するという一連のサイクルを通じて、お客様により大きな価値を提供するために、システム開発やDX推進といった上流・実行領域にも事業を広げています。
当社は『品質保証』をより広い概念として捉え、お客様が抱える品質リスクやリリース後の運用リスクといった課題を総合的に解決することを目指しています。ソフトウェアテストの枠を超え、リスクマネジメントへ、そして総合IT企業へと進化していくことが、当社の掲げるビジョンです。」
―具体的にはどのようなシステムを開発されているのでしょうか。

梨本「主にWebアプリケーションの開発です。たとえば、客船の中で提供されているレストランや劇場、エステなど、さまざまなアクティビティを船内で予約できるようにする船内予約システムの開発をしています。近年は電子決済の開発案件も多いです。キャッシュレス化が一気に進んだこともあり、QR決済やタッチ決済などのライブラリ開発、地域通貨などのアプリケーション開発の案件が増えました。
私たちは創業以来、検証を通じて高品質なプロダクトを世に送り出すことに向き合ってきました。『どうすれば信頼性の高いものを提供できるか』『どうすれば安心して使える仕組みを作れるか』といった観点で開発できることが当社の強みであり、電子決済関連の案件を多く任せていただいている背景の一つだと思います。」
―品質評価や開発支援以外では、どのようなサービスを提供されていますか。

梨本「お客様が開発されたシステムやサービスについて、品質そのものに関するコンサルティングを行っています。開発現場では、どうしても納期やコストの優先度が高くなり、検証などのテスト工程が後回しになりがちです。『不具合が出たらそのときに直そう』という進め方になってしまうことも多く、“品質”という領域があまり重視されてこなかったケースも多いと感じています。しかしこうした進め方では、最終的に運用コストを含めたトータルの費用が大きく膨らむリスクがあります。
そこで私たちは、『今この段階で多少コストをかけてでも、適切な品質設計を行っておいた方が、将来の運用費を抑えられますよ』といった形で、積極的に改善提案を行っています。
世の中にはたくさんのコンサルティングファームがありますが、当社が目指すのは『考えるだけのコンサル』ではなく『共に実現するコンサル』です。提案して終わりではなく、一緒に考え、一緒に形にしていくことまでをセットにし、最終的にプロジェクトがお客様の現場で成果を出すまで伴走することが、当社のコンサルティングサービスです。」
「人の良さ」で信頼をつなぐ。現場に溶け込むエクストリームの技術者たち
ーエクストリームとの関係性について教えてください。

大村「最初のきっかけはエクストリーム側からお声かけいただいたことです。その後、地方拠点で人員を増やしたいというニーズが発生したため、エクストリームに相談したところ、即座に人材のご提案をいただきました。
当時、契約関連の手続きも含め、非常にスピーディーにご対応いただいたことが印象的でした。現在も4名のスタッフに参画いただいており、品質保証の領域ではQAエンジニアとしてスマートフォンアプリやWEBシステムの評価業務を担当していただいています。また、地域通貨プラットフォームサービスでは保守運用をお願いしています。」
―エクストリームに相談するメリットは何ですか。
大村「対応スピードの速さはもちろんですが、常に優秀なスタッフをアサインしていただいていると感じています。その背景には、エクストリームがProVisionを深く理解してくれていることがあると感じます。営業の方々は、当社が目指す事業の方向性や、求める人材像をしっかり把握されており、そのときそのときで適切な人材をご提案してくれる印象です。
また、実際に参画していただいているスタッフの方々も、ProVisionがどのような企業なのかを事前にしっかり理解してくださっており、その上で担当する案件の内容や技術要件をきちんと把握されています。そのためミスマッチが非常に少なく、配属直後からすぐに活躍していただけるケースが多いです。結果として、エクストリームから参画いただいた方々は、当社メンバーからの信頼が非常に高いですし、お客様からも良い評価を得ていると感じています。」
―参画しているスタッフの働きぶりはいかがですか。
大村「当社の文化や価値観を理解した上で、チームに馴染み活躍していらっしゃると思います。当社はこれまで、お客様からのご紹介をきっかけに事業を拡大してきました。お客様から『またお願いしたい』と言っていただける関係を築くには、何よりもお客様との信頼関係が重要です。信頼を獲得できる『人の良さ』を強みにしている当社だからこそ、エクストリームのスタッフが自然とチームに溶け込み、当社メンバーと同じ目線・価値観で取り組んでいただけていることは、安心と信頼感につながっています。」
ビジネスパートナーと築く、自ら動き発信する人が育つ組織

―御社では、今後どのようなスキルや人物像の方を求めていらっしゃいますか。
梨本「弊社の社員は、技術者が大多数を占めています。最低限の技術力をプロフェッショナルとして高めていくことは必要ですが、一方で誰しも最初は初心者からのスタートです。技術力そのものよりも成長曲線が高いかどうか、どれだけ成長意欲があるかが重要だと考えています。
そういった中で重視しているのは、『お客様の役に立ちたい』というホスピタリティを持って行動できるかどうかです。そうしたパーソナリティさえあれば、技術は自然と後からついてくると思っています。
ただ、当社の今後のステージを作っていくためには、そこに能動性を加えていく必要があると考えています。受け身の姿勢ではなく『自分がこういう価値を提供したい』というように、自ら動き、発信できる人材を増やしていきたいです。ホスピタリティの高い人材と能動的で推進力のある人材が揃うことでシナジーを生み、より良い成果を出せる組織になると思いますし、積極的に発信できる人が増えることで、次の20年をより面白くできると思います。」
―採用だけではなく、人材育成も必要になりますね。

大村「おっしゃるとおりです。特に技術者の中には表に出るのが得意でない人や、自分から発信することに慣れていない人が多いと思います。しかし実際は、『もっとこうすればいいのに』や『ここを改善したい』と思っている人はたくさんいるはずです。そういう人たちに自分で発信できる場を提供することや、『発信していいんだ』と感じてもらえるような文化・風土をつくることがとても大切だと思っています。
そうした文化や風土の醸成という意味でも、ビジネスパートナーと連携し人材を増やすということは、非常に重要であると位置づけています。」
―御社に占めるビジネスパートナーの割合について、具体的なイメージはありますか。
梨本「現在、当社の構成員に占めるビジネスパートナーの比率は約20%ほどです。この割合を、今後2〜3年で35%前後まで拡大していきたいです。
今の日本のIT人材市場を考えると、IT人材の採用はますます難しくなっていくと予想しています。また、採用した人材については、時間をかけてしっかり育てていくことも重要です。そのため、ビジネスパートナーにも頼りながら、当社で一緒に成長していける人材を増やしていきたいです。単に頭数を増やすというよりは、我々と一緒に戦える仲間を増やしていくイメージをしています。」
事業以上に、存在意義のある会社へ。ProVisionが描く次の成長ステージ

―御社の今後の展望を教えてください。
梨本「事業としては、今後もコンサルティング領域の案件をより拡大していきたいと考えています。昨今はAIの進化もあり、単純作業については人が介在する必要性がますます低くなってきました。だからこそ、お客様の課題を能動的に解決するコンサルタントとしての役割は、ビジネスにおいてより重要になっていると思います。自ら考え動く人材を集めていく、あるいはそういう人材になっていく人が当社で増えれば、お客様に提供できる価値がより高まると思います。
また、一緒に働いてくださる社員やビジネスパートナーさんにとっては、人材価値を高める機会をより多く提供できる会社でありたいです。ProVisionでの仕事を、単に『お金を稼ぐための手段』として捉えるのではなく『仕事自体が楽しい』と『もっとこういうことをやりたい』『自分の携わった仕事を誰かに自慢したい』などポジティブに捉えていただき、ProVisionというステージを通して、人生をより良くしていってほしいです。
さらに、当社のお客様に対しては、『ITを活用したいのに、人材がいないからできない』というケースをなるべく減らしていける存在でありたいと思います。IT人材は相変わらず市場で不足しています。そうした中で、当社が課題を解決し、お客様がやりたいことを実現できる環境を整えることができれば、当社がこの世に存続する意味がより高まっていくと思います。」
―今後エクストリームに期待することはありますか。
大村「エクストリームとは、より強固なパートナーシップを築いていきたいです。多くの人材をご提案いただき、当社もそれをどんどん受け入れていきたいと考えています。また単に人材を提供いただくだけではなく、中長期的にどのように組織を作っていくかを一緒に考えていきたいです。
また、エクストリームの中で人材が育っていくことは、長い目で見ると当社にも価値があることだと考えています。当社としても、エクストリームと今後も長い付き合いをする前提で、何らかの恩返しができるような、相互に有意義な関係を築いていきたいですね。」
―梨本様、大村様、ありがとうございました。
※本インタビューは2025年10月に実施されました。インタビューの内容は取材当時のものになります。