提案力とクオリティ。クリエイティブと業務システムでエンタメ業界を支える
株式会社日テレWands
クリエイティブデザインDiv.ディビジョンマネージャー クリエイティブディレクター
経営戦略Div.ジェネラルマネージャー
松本 博貴 氏
ふたつの領域から生まれる新たな価値
- 日テレWands様の事業内容について教えてください。
「当社はもともと二つの会社が合併してできた会社です。一つは日テレITプロデュースという、放送局向けの業務システムの開発・運用を行っている会社、もう一つはフォアキャストコミュニケーションズという、日本テレビのWebサイトや広告マーケティングを担当している会社です。わかりやすい例として、日本テレビの駅伝番組で、各チームの順位やタイムなど番組に関する情報を処理しているのが旧日テレITプロデュース、それを皆様に伝えるためのWebサイト制作が旧フォアキャストコミュニケーションズの担当領域となります。合併後は、日テレWandsとして、業務システムからWebサイト運用までを一気通貫でおこなえるようになりました。」
- 具体的な業務でいうと、どのようなものがあるでしょうか。
「Web制作領域では、日本テレビのホームページの制作、運用、および付随しているインフラ整備を担当しています。一方、業務システム領域では、基幹業務システムや、経理などのバックオフィスシステムを日テレグループに提供しています。
Web制作領域では、日本テレビだけではなく、スポーツクラブコンテンツなどグループ会社や外部からいただく案件も担当しています。日本テレビのコンテンツを制作しながら、外部案件も経験し、そこで得た経験を日本テレビの制作に活かしています。
私の所属するクリエイティブデザインディビジョンは、デザインという切り口で、業務システムとWeb制作双方のUI/UXを担当しております。」
- 業務範囲が多岐に渡りますね。
「そうですね。当社をもう少し分かりやすく言うと、SI系とWeb系の会社が一緒になっているというイメージです。SI系が業務システムを担当しインフラインテグレートやASPなどを担い、Web系ではソリューションの案件も担当しています。日本テレビから業務システムの案件を担当する一方、動画広告マーケティングやSNS運用も当社は請け負っています。また新規事業としてアイドルグループを中心としたファンクラブサイトの運営にも取り組み、最近では徐々に認知度も上がってきています。」
- 二つの会社が同じ組織になったことで、難しかったことや課題はありましたか。
「合併のタイミングがちょうどコロナ禍でリモートワークであったため、社員同士が顔を合わせる機会がなく、いまだに初めましてということも多いです。また仕事の進め方も、Web制作部門はアジャイル型で業務を進めることが多いですが、業務システム部門はウォーターフォール型で進める点に大きな違いがあります。また、使っているPCのOSも異なるため、そもそも使う言語が異なることも特徴です。
双方のコミュニケーションを増やす取り組みとしては、現在も色々な部分が試行錯誤中です。リモートワークと出社のバランスも各部署によって様々ですし、オフィスのあるフロアも異なります。われわれマネージャー層は各メンバーとコミュニケーションを取ることが多いですが、メンバー同士の交流はこれからというところですね。今年は新卒を多く採用したため、若手同士の交流の場をつくることができましたが、中堅層の社員たちのコミュニケーションを増やすことがいまの課題だと感じています。そういうこともあり、プロジェクトのキックオフはなるべくリアルで開催し、メンバー同士が顔を合わせられるようにしています。」
- 二つの部門間で、カルチャーの違いはありますか。
「Web制作部門のメンバーは、良い意味でスピード感があると思いますが、業務システム部門は腰を落ち着けてやるという性質が強いですね。
これまでは業務システム部門にデザインを担うチームがなかったのですが、合併してからはUI/UXのディレクションが入り、構成や要件定義から協業しています。そこでようやくお互いの仕事の進め方の認識が合ってきたように思います。」
テレビ業界だけではない日テレWandsの強み
- 日テレWands様の強みを教えてください。
「提案力と実績だと思います。新規事業でファンクラブ運用をおこなっており、こうした新しい分野で実績を作っているということは強みの一つだと思います。またコンテンツを管理するCMSの運用も得意分野です。テレビ番組は、放送前、放送中、放送後のタイミングでコンテンツをリリースするため、マニュアル運用ではとても追いつくことができません。そうした厳しい条件にも応えられる運用提案ができる点は強いと思います。
さらにAIなど新しい技術の取り組みにも力を入れています。たとえば球場にて、球速、ピッチャーとバッターの選手名のテロップを自動表示したり、街頭シーンで通行人の顔を自動検知してマスク着用しているかを認識、着用率を算出するなど、生放送対応や編集コストを下げる技術も取り入れています。」
- Webサイト制作や運用で大変なことはありますか。
「テレビ番組関係者は、心血を注いで番組を作っており、それを発信するWebサイト側への要求も高いです。その要求にスピード感をもって対応するという点は大変なことかもしれません。とくに日本テレビの場合は、年末年始や夏季休暇中の生放送番組も多く、突発的な決定事項や変更が発生することもあります。そういう時でも、できるだけ迅速に対応する体制を作っておくことが必要です。」
- 日テレWandsならではの楽しさややりがいを教えてください。
「日テレに関する案件については、ドラマにしてもバラエティ番組にしても、この世にひとつしかないものに携われるところがやりがいです。
さらに当社は代理店を介さずにクライアントと直接やりとりをおこなうため、クライアントの声をダイレクトに聞けることにもやりがいを感じます。エンドロールに自分の名前が掲載されることもあるので、そうした点も大きな喜びにつながっています。」
活躍するのは「自立的に考え行動ができる」人
- エクストリームと取引を始めた経緯について教えてください。
「エクストリームとの関係が始まったのは5年ほど前で、大型サイトのリニューアルにともない、UI/UXに強い人材を探していたことがきっかけです。当時来ていただいたエクストリームのスタッフの方に大きく貢献いただいたので、その後も継続してお願いしています。」
- 現在エクストリームから5人のスタッフがプロジェクトに参画しています。どのような業務を担当していますか。
「デザインで2名、フロントエンドのコーディングで3名の方にご活躍いただいています。5年近く貢献いただいているデザイナーのWさんには、UIの視点からデザインをしていただき、とても助かっています。最近お越しいただいたMさんはロジカルにデザインを構築してくれるため、非常にアサインがしやすいです。またお二人とも指示されたことだけではなく『UIの観点からこうした方がいいですよ』と提案があるので一緒に仕事をしていて心強いです。
またフロントエンド領域の方は、主に日テレで放送している番組のサイト制作や、日テレのグループ会社のサイト制作を担当してもらっています。番組制作との兼ね合いで、サイト制作に十分な時間が取れない時もありますが、納期に間に合うよう尽力してくださるので助かっています。 エクストリームから来て頂いている方は、手が空いた際には積極的にフォローに回ってくださったり、案件アサイン時に手を上げてくださったりと、チームが良い方向に向かうことに協力してくださる方が多い印象があり、非常に助かっています。」
- 外部人材であるエクストリームのスタッフと御社の社員とで業務の担当領域は異なりますか。
「当社は外部スタッフか正社員かでアサイン先を決めることはあまりありません。いただく案件自体の数も非常に多いので、よほどの大型コンテンツでないかぎり、なるべく各人の得意領域や興味のある領域でアサインを決めています。外部スタッフと社員という部分で異なることはありません。」
- エクストリームにデジタル人材派遣を依頼するメリットは?
「エクストリームは、他の派遣業者と比較しても、平均的にスキルの高い方に毎回来ていただいていると思います。ご本人さえよければずっといてほしい人材ばかりです。自立的でしっかりアウトプットを出してくれる印象で、たとえばある程度素材を渡して、こういう風にしてほしいと頼むと、期待以上のクオリティで対応してくださる人が多いですね。
最近はコロナ禍でリモートワークが広まったこともあり、世の中にはスキルの追いついていないWebデザイナーが増えてしまった印象があります。そういう方は、プロジェクトに入った後で我々が教えなければならないことも多いですが、エクストリームから来た人材に対しては育成をした記憶があまりありません。
またテレビ業界は入れ替わりも多く、ドラマのWebサイトを1回作っただけの短い期間で転職してしまう方もいらっしゃいますが、エクストリームのスタッフは長くコミットしてくれる人が多いのでとてもありがたいです。」
- 「自立的」とは具体的にどのようなタイプでしょうか?
「意思がある方という表現ができると思います。デザイナーでいうと、デザインが好きで、このように作っていきたいと会話ができる人です。過去に契約をしていた派遣業者様からは、意思がなく、言われた通りにしかできない方もいました。これは逆に言うと、言わないと何もやらないということになります。テレビ番組に関わる業務では、素材がない状態で考えなければならないことが多いです。事前の準備も時間の余裕もないという中で、自立的にアイデアを出せることは大きな強みといえると思います。」
新規事業を支えるこれからのデジタル人材
- 今後、広げていきたいサービスや事業のイメージはありますか。
「新規事業としては、VRや3D映像の技術を広げていきたいと思っています。そのためには、エンタメ領域に強い人材を育てなければならないと考えてます。また日本テレビグループとしてだけではなく、いろんな業種にも広げていくために積極的に外部での実績を作り、Web領域そのものに強みがあることをPRしていきたいですね。デザイン部門でいうと、6年ほど前は20名くらいだった人材が、今では40名ほどになっており、デザインの需要が増えてきていると実感しています。今後もその需要にしっかり対応していきたいです。」
- これからはどのような人材を求めていますか?
「お客様と会話をして要件定義ができる、デザイナーとディレクターの間ぐらいの人材を獲得していくことが大切かもしれません。要件定義をして、どうしてこうなるのかを説明できる人が必要になると思います。ただなんとなく素材を組み合わせるのではなく、どのような考えでなぜこれを作ったのかという意志を持ち、さらに「ここをこうしたら良いのではないか」という一歩先の議論ができる人材は優秀ですね。そのうえで自立的にものごとを考えて作ってくれる人が求められます。
また、流動性の高い業界だからこそ、フロントエンドからサーバーサイド、インフラなど幅広い領域を扱えるフルスタック人材はますます必要になってくると思います。当社でもこれからはWeb領域で、フロントエンド、サーバーサイド、インフラ領域をすべておこなうエンジニア組織をつくり、しっかりと事業にコミットしようとしているところなので、そこで活躍できるフルスタック人材を求めています。」
-松本様、ありがとうございました。今後も弊社のデジタル人材が最大限のサポートをさせていただきます。
※本インタビューは2024年3月に実施されました。インタビューの内容は取材当時のものになります。