行政も推進するデジタル・トランスフォーメーション(DX)

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近年、少子高齢化による労働人口の減少への対応策として、労働生産性を向上させていくことが求められています。しかし、日本の労働生産性は、先進7ヵ国では最下位の状況が続いているため、国としても制度改革や、また企業としても改革が急務になってきています。そんな中、「デジタルトランスフォーメーション」というワードが注目を集めています。経済産業省でも研究会が設置されるなど、国としても力を入れている取り組みとなっていますが、この概念を取り入れようという動きがある企業はまだまだ少なく、現在の日本企業の課題にもなっています。今回はデジタルトランスフォーメーションについて紹介します。

 

 

■デジタルトランスフォーメーションとは

デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation(=DX))は、元々、ITによって人々の生活を良くする、という概念として提唱されていましたが、特にビジネスの視点においては解釈が複数あったり多義的であったりと、共通概念としての表現が難しいので、便宜上、以下、経済産業省の定義を引用します。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

つまり、データとデジタル技術を社会やビジネスに活用することと言えるでしょう。テクノロジー(AI、IoTなど)の発展やスマートフォンの普及などにより、私たちの生活は情報(データ)で溢れ、進化した技術を使うことで今までに無い新しい製品やサービスを享受することができるようになっています。そうした動きと連動するようにビジネスの現場でも仕事を効率化できるサービスや、今まで人がしていた作業を自動で対応できるようにするものなど、様々な仕組みが開発されています。

※「Trans」は「X」と略されるため、略称は「DX」と呼ばれています。

参考:https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004-1.pdf

 

 

■DXの事例

では実際にすでに利用されているDXを取り入れた事例にはどのようなものがあるのでしょうか?

①顧客の声を仕分ける作業の自動化
大手銀行ではコールセンターなどに寄せられるお客様からの声を分析する作業を自動化しています。従来、お客様からの質問などの問い合わせに対応する際、まず、その問い合わせ内容の分類を人を介して対応していたため、人件費が膨大にかかるという課題がありました。それを、「問い合わせ内容の把握とその分類」という作業を自動化し、そのデータの解析から顧客向けサービスの改善に活用しています。

 

②レジ作業と商品発注作業の自動化
コンビニエンスストアは、24時間営業を見直す会社も出てきているほど人手不足が課題になっていますが、この仕組みはレジ作業を無人化することで、その課題を解決するものです。クレジットカードを専用の端末に読み込ませ欲しい商品を取り出せばそれだけで決済が完了できます。さらに購買データから必要な商品が把握されるので、それぞれの店舗に適した補充すべき商品が発注されることになります。

 

 

 

■DXを実現する上で必要な知識やスキル

DXを実現するためのプロジェクトで必要になる知識は、そもそもの課題や実現したいゴールによって様々ですが、AIを活用して検証スピードを上げ、調整を繰り返しながら少しずつ導入範囲を広げていく、などのように、特に「AI」や「アジャイル開発」の知識や経験と相性が良い場合が多いようです。
AIは現在最も期待されるテクノロジーの一つですが、その活用で、今後は、テキスト解析、画像解析、音声認識など、AIの得意分野で日常の一部はデータとして処理され、普段の煩雑な作業の多くが自動化されることでしょう。今まで利用できていなかったビッグデータなど、AIによって高度な、そしてスピーディな解析によって、データの活用に、この技術の可能性への期待はさらに大きくなっています。

 

 

今回はデジタルトランスフォーメーションについて説明しました。今後も多くのDXプロジェクトが進められていくことが予想されますが、先に説明したように「データとデジタル技術を社会やビジネスに活用すること」という概念そのものは、決して真新しい考え方というわけでもないようにも思えます。実際には、デジタル化推進のためにわかりやすく定義づけされたことが、様々な課題を浮き彫りにし、あらゆる領域での浸透を促しているということなのかもしれません。

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