民間企業と自治体のDXの取り組みが見えてきた!

日本DX大賞2023授賞式レポート

#DX

 

エクストリームのトピックス記事ではDXカテゴリーで、日本が推進するデジタル化への取り組みやこれから求められるデジタル人材の最新記事を投稿してきました。今回は日本DX大賞実行委員会が主催する「日本DX大賞2023」の授賞式レポートを配信します

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)のDX白書2023によると日本企業の約7割がDXに取り組んでいるといわれていますが実際の進捗はどうなのか。日本DX大賞の受賞者・審査員それぞれのコメントから日本のDXのリアルな進捗が読み取れました。

 

日本DX大賞とは

日本DX大賞は日本DX大賞実行委員会が主催する日本のDX推進を加速するために、自治体や民間企業などが取り組んだDX推進プロジェクト事例を共有するためのコンテストです。

 

大賞は下記の5つの部門で構成されています。

 

1.BX(ビジネストランスフォーメーション)部門

2.UX(ユーザーエクスペリエンス)部門

3.SX/GX(サステナビリティトランスフォーメーション・グリーントランスフォーメーション)部門

4.人と組織(リスキリング)部門

5.行政機関・公的機関部門

 

日本DX大賞2023の受賞団体・企業

今年は110の組織から応募があり、厳正なる審査を通過して大賞を受賞された5つの団体・企業をご紹介します。

 

BX部門 大賞

 株式会社みんなの銀行

【審査基準】DXによりビジネス変革や新規事業展開に繋がったプロジェクト

 

 

150年以上歴史のある「ふくおかフィナンシャルグループ」の一員として「未来の銀行を今作ったらどんな銀行ができるだろうか?」という大きなビジョンを掲げ、すべてゼロから立ち上げた日本初のデジタルバンク「みんなの銀行」。2000年代から始まったインターネットバンキングは、デジタル化の先駆けではあったが銀行側の効率化が起点になった。一方で現代のDXとしてはどれだけ顧客起点に立ってイノベーションが生み出せるかが勝負になりました。そうして立ち上げたのは、全てのサービスがスマートフォンで完結する銀行「みんなの銀行」。デジタルネイティブ世代をメインターゲットに60万口座の獲得に成功しました。その斬新なビジネスモデルとフルクラウド型の銀行基幹システムの構築により、金融業界におけるデジタルトランスフォーメーションの先駆者として注目を集めています。

 

UX部門 大賞

 株式会社鈴花

【審査基準】デジタルを活用しユーザー体験向上に取り組んだプロジェクト

 

 

佐賀県に本社を構える株式会社鈴花は明治創業の「きもの」を中心とした小売店です。社員の平均年齢は61歳、顧客の平均年齢は69歳でありながら、佐賀県のDXフラッグシップとしてデジタル化に取り組みました。

顧客との繋がりをデジタルで実現するアプリ「和服らいふ」とそれを活用した新事業「きもの保管サービス」。「LINE」を通じて本社・店舗がお客様と直接つながる仕組みづくり。さらに社内業務アプリを内製で開発し、オンライン・オフラインで集めたデータをBIツールで分析。新たな顧客体験の創出やコミュニケーション設計など、幅広い取り組みによる顧客満足度の向上が評価されUX部門の大賞を受賞されました。

 

SX・GX部門 大賞

 株式会社ヤマップ

【審査基準】デジタル技術を活用しサステナビリティ経営やGX(グリーントランスフォーメーション)に取り組んだプロジェクト

 

 

株式会社ヤマップは、登山地図GPSアプリ「YAMAP」を提供しています。

登山者が歩いた軌跡のビッグデータから「日本一道迷いしやすい登山道」を特定し、自治体に提供し、看板を立ててもらうことで「道迷いをゼロ」に改革しました。また登山者が遭難した際、YAMAPユーザー同士のBluetooth通信とサーバーのデータ共有を活用し、遭難者の位置情報を救助機関や家族に提供し救助活動を支援しました。ユーザー、自治体、警察、救助機関を含む広範なDXを実現し「山のインフラ」として命を守る役割を果たしています。登山アプリが命を救うアプリに変わることが、今回のSX・GX大賞を受賞したポイントです。

 

人と組織部門 大賞

 群馬県

 【審査基準】DXのためのリスキリング、人材育成や組織変革に取り組んだプロジェクト

 

 

群馬県は「新・群馬県総合計画」のもと「日本最先端クラスのデジタル県」を目指し、2020年4月に全国初となる「デジタルトランスフォーメーション戦略課」を設置し、知事を本部長とする「DX推進本部」を設置しました。これを支える「群馬県庁DXアクションプラン」や「ぐんまDX加速化プログラム」を策定し、各部局にDX推進係を配置しています。具体的な取り組みとしてコミュニティを作り、職員が主役となって、そのコミュニティの中で教える・教わるという環境を整えてきました。さらに学んだことをシェアして簡単なものなら自分たちで作ってみて、実際の業務で使ってみるという循環システムが構築されていることも大賞を受賞した評価ポイントでした。

 

行政機関・公的機関部門 大賞

 都城市

 【審査基準】自治体など行政機関や公的機関において、DX推進に取り組んだプロジェクト

 

 

都城市は、マイナンバーカードの交付率が約94%と全国の市区で1位で、ふるさと納税でも寄付額で過去3度日本一になるなど、デジタル化に積極的です。

今回はふるさと納税のワンストップ特例申請をデジタル化するアプリ「IAM」を民間企業と共同で開発されました。リリースから5ヶ月で100万DL、3月末時点で133万DLを達成。行政機関・公的機関部門の大賞受賞の評価ポイントのひとつとして、縦割り構造の役所の組織の中で、対立関係になりがちな「財政」と「企画」の間に「デジタル」をおくことで、より良い住民サービスを安価に実現できたことが挙げられます。さらにふるさと納税の獲得まで実現できた理想的な取り組みといえます。これは自治体DXの教科書的な取り組みとして全国の自治体にも普及してほしいです。

 

まとめ

日本DX大賞 授賞式を視聴して、事業やサービスの変革を実現するためにゼロベースから本気で取り組んでいる組織や企業がDXを実現していると感じました。大賞を受賞された企業や組織の取り組みに共通するのは、なによりも顧客やユーザー起点が大切で、デジタル技術はあくまでも課題を解決するためのツールであること。ユーザーの体験価値を高めるためには一企業だけでなく行政や組織との連携も欠かせないものです。

企業や行政のDX化を推進するエクストリームも、ユーザーの体験価値を最大化するためにこれからも様々なDXプロジェクトに参画してまいります。

関連する記事