Javaエンジニアを求める企業が増えている理由とは?

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システムやサービス、アプリケーションなどをつくるためのプログラミング言語は、実に200種類以上もあるといわれています。時代に合わせてその人気は移り変わり、使われなくなるプログラミング言語も少なくありません。その中で、登場から25年以上を経た今も世界中で使われているのが「Java(ジャバ)」です。

 

Javaは以前から企業の基幹システムなどに使われてきた言語ですが、近年はDXの推進によって今まで以上に管理システムなどの需要が増えていること、また、IoT機器などの新たな領域でのJavaの需要が高まったことから、需要が減るどころか、活躍する分野が増えている状況です。

 

ここでは、Javaのメリットや活躍している分野についておさらいをしながら、今、Javaエンジニアを求める企業が増えている理由について詳しく解説します。

 

Javaとは? その特徴をおさらい

 

Java(ジャバ)は、1996年に公開されたプログラミング言語です。応用力の高い言語として今なお活躍の場は広がっており、公開から25年以上経った今も版権を持つOracle社によりアップデートが続いています。

 

ここでは、まずJavaの特徴から見ていきましょう。

 

プラットフォームを問わない汎用性がある

Javaは使用するプラットフォームを問いません。JavaはVM(Java Virtual Machine)という仮想マシンで動作し、実行環境との差異を補完します。そのため、Windows・Mac・Linuxはもちろん、企業内の独自システムにも対応できます。

 

最近は、Androidスマートフォン上で動作するアプリもJavaでつくられたり、IoT機器にも利用されたりしています。プラットフォームに依存しない特性はJavaを開発に用いる大きな理由となっています。

 

実行速度がはやい

Javaはプログラムを実行可能な状態にする「コンパイル」をシステム起動時に行う「コンパイラ言語」です。これにより、プログラムの実行速度がはやいことが特徴です。

 

一方、実行しながら都度コンパイルを行う「インタープリタ言語」は、プログラムの実行がすぐにできたり、デバッグを行いやすかったりするかわりに、実行速度はコンパイラ言語にかないません。

 

こうした特徴から、実行速度の速さを重視するサービスやシステムには、Javaが用いられるケースが多くなっています。

 

実績が豊富

1996年の登場後、Javaは世界中のさまざまな場面で利用されてきました。Javaで書かれたシステムは膨大な数で、現在も増え続けています。歴史が長く、携わるエンジニアも多いことから、開発の土台といえる「フレームワーク」が豊富に提供されており、汎用性の高い機能がまとめられた「ライブラリ」も豊富です。これらを利用することで、開発にかかる時間を短縮できます。

 

豊富な実績は、システムやサービスに新たな機能を追加するときにも影響します。Javaでつくられたシステムに機能を追加する場合、第一候補となる開発言語はJavaです。Javaと互換性の高い新たな言語も登場していますが、特別な理由がない限りJavaを用いることでエラーの発生率を減らせるため、Javaで機能が追加される可能性が高くなります。

 

セキュリティが強固

Javaはセキュリティを考えて開発されている言語で、ハッキングされにくいとされています。

 

また、Javaは「オブジェクト指向」という考え方の言語で、これは「モノを組み立てるようにコーディングを行う考え方」のことです。この仕組みを十分理解して開発することで、より安全性を高めることができます。

 

こうした特性から、信頼性が特に重要な銀行などの金融システムや、企業の基幹システムなどでの採用例が多くなっています。

 

Javaが活躍する主な分野とは?

 

 

Javaはスマホアプリから企業の基幹システムまで幅広い分野で活躍しています。代表的な例と、Javaにできないことを紹介します。

 

Webサービス・アプリ開発

JavaはWebサービス/Webアプリの開発において採用例の多い言語です。Javaは実行スピードが速く、堅牢性・信頼性があるため、大規模なWebサービスの開発に向いています。

 

▼JavaでつくられたWebサービス・アプリの例

・YouTube

・Amazon

・Wikipedia

 

Androidアプリ開発

Androidアプリの開発では、C言語やJavaScript、Kotlinなどの言語が利用できますが、代表的な言語はJavaです。ゲームからビジネス系アプリまでジャンルを問わず使用できます。

 

最近はJavaとの互換性が高く、より新しい言語であるKotlinの使用例も増えていますが、現在も大半のAndroidアプリがJavaでつくられている状況です。

 

PCソフト開発

PC向けのソフトウェアの開発にもJavaが利用されています。Javaを採用することで、Windows・Mac・Linuxなどのプラットフォームを問わず動作させられます。

 

▼JavaでつくられたPCソフトの例

・OpenOffice

・Minecraft

 

基幹システム開発

Javaには優れた堅牢性・信頼性があることから、商用の基幹システムへの採用例が多くなっています。代表的なものに銀行の基幹システムなどがあります。

 

▼Javaでつくられた基幹システムの例

・大手メガバンクの基幹システム

・Oracle商用データベース

 

組込みシステム・IoT開発

Javaが開発されたきっかけともいえるのが、家電製品の組込みシステムです。テレビやビデオデッキ、洗濯機や冷蔵庫など、幅広い家電製品の組込みシステムにJavaが使われています。

 

また、家電など身の回りのあらゆるものをインターネットに繋げる、いわゆる「IoT化」でもJavaが活躍しています。たとえば、スマートスピーカーや紛失を防ぐ電子タグなどにもJavaが使われています。

 

Javaにできないことは?

Javaは汎用性の高い言語のため、できないことはあまりありませんが、炊飯器や洗濯機に組み込まれることの多い「マイコン」にはJavaが使えません。

 

また、Apple社が提供するiOSで動作するアプリの開発には、Appleが開発したオープンソースのプログラミング言語「Swift」が必須となり、Javaは使えません。

 

Javaエンジニアを求める企業が増えている理由とは?

 

 

Javaは歴史の長いプログラミング言語ですが、Javaエンジニアを求める企業は増えている状況です。その理由はどのようなものでしょうか。

 

理由1:今も一線で使われておりJavaの需要が減っていない

Javaは1996年に登場した、比較的古いプログラミング言語です。しかし、さまざまなプラットフォームで利用できる応用力の高さや、抜群の信頼性により、銀行の基幹システムから、スマホのゲームアプリまで、今なお幅広い分野で活躍しています。

 

さらに、25年前に誕生したプログラミング言語でありながら、元々セキュリティを考えて作られているため、現代のセキュリティの水準にも対応できています。このような点からJavaの活躍する分野は今なお広がっており、需要が減ることはしばらくないと考えられます。

 

理由2Javaでつくられたシステムの保守・点検の需要が多い

Javaでつくられたシステム、サービス、アプリは非常に多いため、それらのシステムを保守するためのエンジニアの需要も当然多くなります。

 

しかも、Javaで作られたシステムの中には、銀行の基幹システムや企業や官公庁の大規模システム、大手ECサイトなど、信頼性が重視されるものが数多くあるため、保守・点検が特に重要になります。

 

こういった事情から、Javaに精通し、保守・点検の経験が豊富なエンジニアを探している企業や団体が絶えない状況です。

 

理由3IoTなどの新ジャンルでJavaの需要が増えている

最近は、IoT分野でもJavaが活用されるようになりました。そのため、従来からの需要に加え、IoTに関わるさまざまな企業がJavaエンジニアを必要とし始めています。

 

スマート家電やウェアラブルデバイスは今後さらに伸びていく分野であることから、Javaエンジニアに対する需要は今後一層高まると予想されます。しかし、従来のJavaエンジニアの需要も特に減っていないことから、経験のあるJavaエンジニアが不足している状況です。

 

理由4:習得コストが高く、すぐにJavaエンジニアが育たない

Javaエンジニアが不足しているのであれば企業が育てればよいではないか、と思うかもしれません。しかし、Javaは習得コストが高く、必要になったからといってすぐに育てられません。

 

Javaは技術的な難易度が高い言語であり、さらに、実務を行うためにはネットワークやハードウェアも含めた幅広い知識が必要です。また、企業などの基幹システムの構築では、将来を見据えた設計を行う必要があります。これには経験が必要ですし、Javaの特徴である「オブジェクト指向」への理解も十分に深める必要があります。

 

こうした特性から、Javaエンジニアをすぐに育成することはできず、習熟するには開発経験も必要です。そのため、すでに経験のあるJavaエンジニアを求める企業が絶えないのです。

 

今からJavaを学ぶことに意味はあるか

 

現在、Javaには大変多くの需要があることがわかりました。では、将来性はどうでしょうか?

 

これは、十分にあるといえるでしょう。Javaは歴史の長い言語で、大規模開発が多く、それでいて、スマホアプリやIoTにも積極的に使われています。さらに、大手企業や官公庁は安定した既存技術を好む傾向があり、そういった点からもJavaはまだまだ一線級で活躍すると考えられます。

 

もちろん、20年後、30年後には、より優れた言語が登場し置き換わる可能性はあります。そんなときは、Javaの習得のために学んだ「オブジェクト指向」が他の言語の習得に役立つでしょう。

 

オブジェクト指向言語には、「PHP」「C++」「JavaScript」「Python」「Swift」「R」などがありますが、中でも「Python」はAI開発において最大のシェアを持ち、将来性の非常に高い言語と考えられます。Javaを学んだ経験が役に立つはずです。

 

こうしたことから、エンジニアがJavaを学ぶことには意味があり、その努力が完全にムダになってしまう可能性は極めて小さいといえるでしょう。

 

まとめ

 

Javaは、OSなどの使用環境への依存度が低く、汎用性の高いプログラミング言語です。長い歴史がある比較的古い言語ですが、最新のIoT機器やスマホアプリにも積極的に利用されており、これからもまだまだ第一線で利用されていく言語といえるでしょう。

 

しかし、その習得は短時間ではできず、ネットワークやサーバーなどの知識も必要になり、さらには開発経験も必要です。こういった状況から、多くの企業がJavaエンジニアを求めています。Javaは、これまでもこれからも、学習する価値の非常に高い言語といえるでしょう。

 

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