LIG大山代表取締役社長との特別対談

【株式会社LIG 大山代表取締役社長】デジタルクリエイティブ社長対談

#インタビュー

 

2022年2月2日、株式会社エクストリームがIPを保有する「超兄貴」のキャラクターが登場するアプリケーションゲーム「ダンシング・オブ・超兄貴」の配信が開始されました。

 

 

シューティングゲームの名作として今なお高い人気を誇る『超兄貴』が、リズムゲームになってカムバック。リリース前に公式Twitterアカウントのフォロワー数が1万人を突破するなど、大きな注目を集めました。

 

「ダンシング・オブ・超兄貴」の開発・運営を行う株式会社LIGとエクストリームは両社ともにデジタルクリエイティブ事業を展開し、自社コーポレートサイトをオウンドメディアとして活用し、積極的に情報発信を行っています。「ブランディング」「営業」「採用」など、企業経営の様々な面でこのような取り組みがどのように寄与しているか、またDXやグローバルなど時代のトレンドに両社がどのような戦略を持っているのか。今回はエクストリーム代表取締役社長 CEOの佐藤昌平が、LIG 代表取締役社長 兼 CEOの大山智弘様との特別対談を行い、両社の現状における課題や今後の方向性を探りました。

 

「まじめに面白いを創る」という共通項

 

 

コーポレートサイトをオウンドメディアとして活用しはじめて、LIGが16年、エクストリームが5年目を迎えます。

 

佐藤昌平社長(以下、佐藤)「振り返ってみると、もうそんなに経ったのかという印象です。『Webサイトの賞味期限は2年』と言われるくらい、デジタルクリエイティブのトレンドは激しく変わります。LIG様ではどのくらいのスパンでリニューアルしてきたのですか?」

 

大山社長(以下、大山)「実は、今年(2022年)の6月にCIを含め、サイトを全面リニューアルしました。これまでも数年に一度は部分的な改修をしてきましたが、久しぶりのフルリニューアルになります」

 

佐藤「それは楽しみですね。LIGブログは継続するのでしょうか?」

 

大山「ブログ形式は維持しつつ、LIGの新しいイメージを発信できるメディアにしていきたいと考えています」

 

 

大山「エクストリームさんがコーポレートサイトにオウンドメディアの機能を取り入れた理由は何でしょうか?」

 

佐藤「きっかけは『採用』が目的でした。求職者や学生は就職活動時に必ず企業のサイトを訪れます。そこできちんと情報発信できていないと、就職活動の候補に残りません。オウンドメディアのベンチマークとして、実はLIGブログを参考にさせていただいているんです。クリエイターの実務に役立つtips系記事から尖った企画記事までコンテンツの幅が広く、いつも刺激をいただいています」

 

大山「そうだったんですね!ありがとうございます。弊社の場合は営業の『お問い合わせ獲得』のために情報発信を始めました。結果的にはブランディング面でも大きく貢献してくれるサイトになりましたが、実は近年、LIGブログが与える企業イメージと、実際の事業との間に大きな乖離が生まれています。ようするに、LIGブログの『ヤンチャ』なイメージが先行してしまっているのです」

 

 

– LIGに対して「エッジの効いたクリエイター集団」という印象を抱いている方も多いと思います。

 

大山「最近では『まじめに面白いものを創りたい』という方向に意識がシフトしています。ヤンチャかと思いきや硬いところもある、そんなギャップが面白くなってくると思います。また企業が発信するコンテンツとして、コンプライアンスやガバナンスを重要視する必要もありますしね」

 

佐藤「当社も『まじめに面白いを創る会社。未来の楽しいを造る会社。』というコンセプトを掲げています。売れているものはやっぱり面白い。面白いものは当然品質が高い。まじめに品質を上げる努力をすることこそが、結果として面白いクリエイティブにつながると私も考えています」

 

大山「佐藤社長のお話にあるように、我々もあくまで『まじめ』にふざける姿勢を大切にしています。よく、入社したばかりの社員から『意外と真面目な人が多いんですね』と言われるのですが(笑)ふざけるのはあくまで見せ方であって、基本的に真面目に仕事に取り組んでいる環境です」

 

採用、営業、ブランディング……コーポレートサイトが経営にもたらすメリットとは?

 

 

–  コーポレートサイトを運用するにはコストがかかります。それでも続けるのは採用や営業に寄与するからですか?

 

大山「まず採用面で言うと、採用活動全体の約20%がWebサイト経由で入社しています。採用面接時に求職者にエントリー理由を聞くと、多くの方がLIGブログのファン、あるいはLIGブログを面白いと感じているから応募したと答えてくれるので、採用面での貢献度は非常に高いと思います」

 

–  逆に見えてくる課題はありますか?

 

大山「課題を挙げるとすれば、戦略コンサルタントなどLIGブログのイメージと異なる職種のエントリーがほぼないことです。その場合は人材紹介や採用メディア、リファラルなどを活用しながら採用活動を行っています。佐藤社長は採用に関して、Webサイトをどのように位置付けていますか?」

 

佐藤「コーポレートサイトにおける採用の効果は非常に重要視しています。会社が成長しつづけるためには採用が必要不可欠です。求職者や当社に興味を持ってもらった人たちがエクストリームのコーポレートサイトを訪れた際に、エクストリームがどのような会社なのか、的確に伝わるような情報を発信しなくてはいけません」

 

大山「会社の特色が伝わるような情報があれば、求職者も安心してエントリーできますよね」

 

佐藤「その通りですね。採用面に寄与する情報として社員インタビューや開発実績を、デザインやコンテンツ開発の品質をアピールする情報として『デジタルクリエイティブ実績』を、求職者へのブランディングとしてeスポーツ記事やエンジニアブログを発信することで、多角的にエクストリームの情報を伝えています。採用やブランディングの仕組みのひとつとしてコーポレートサイトが寄与していることは間違いないです」

 

 

–  一方、営業面ではいかがでしょうか?

 

佐藤「最近では、営業につながるリードも入るようになりました。実績紹介の記事やエクストリーム社員のインタビューなどを発信することで『エクストリームはこんな案件も手がけているのか』とイメージしやすくなったのだと思います。LIG様は営業目的で運用をはじめて具体的にはどのくらい貢献していますか?」

 

大山「Web制作に関しては、受注実績の約80%はWebサイト経由です。フランチャイズで行っている「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG」もWebサイト経由で月間100弱の説明会予約が発生しており、売上に大きく貢献しています。また、サイト自体も広告枠やタイアップ記事などで収益が発生しています。ひとことでオウンドメディアとも商業メディアとも言い切れないハイブリッドなWebサイトですが、当社にとってはまさに“心臓部”ですね」

 

 

佐藤「営業のリード獲得であれ、ブランディングであれ、それに見合った費用対効果があればコーポレートサイトが営業に寄与していると考えられますが、LIG様のWeb制作受注の80%がサイト経由という数字は、非常にパフォーマンスが高いですね」

 

大山「ありがとうございます。今まではお問い合わせいただいた案件にディレクターが直接コンタクトを取っていましたが、これからは営業部隊を作って、より効率的に受注できる体制を整える予定です。この辺りの仕組み作りは、Webサイトだけではどうにもならない部分ですからね」

 

 

企業の姿勢、経営者の想いを伝えるWebサイトの重要性

 

 

佐藤「6月にWebサイトをフルリニューアルするとのことですが、リニューアルプロジェクトは相当なコストがかかるものです。LIG様の経営目線でのWebサイトの課題感は何ですか?」

 

 

大山「課題としては、前述の通り皆さんが思っている売上構成と、実態の売上構成とが乖離している点です。アンケートでも80%の方がおもしろブログの会社と思っているのですが、実際は海外のリソースを使ったシステム開発やデザインコンサルティングが売上の多くを占めています。海外リソースを使った事業は今後も成長が予想されるものの、問い合わせの数が少なく改善の余地があります。自分が代表になった以上、これまでの実績を活かして何としても成長させたい。代表が本気でやっているところを見せないと会社全体が本気に見えないので、今まさに努力しているところです」

 

佐藤「実態をストレートに伝えていくんですね。当社でもストレートに伝えることを大切にしていて、どのコンテンツを見ても『デジタルクリエイタープロダクションである』ということが一貫して伝わることを必須としています」

 

グローバルとクリエイティビティ 2社が目指す未来とは

 

 

佐藤「代表が大山社長に変わられて、CIを含むWebサイトのフルリニューアルを行うということは新しいビジョンをお持ちなのですか?」

 

大山「『グローバル』『デザインコンサルティング』がキーワードです。まず『グローバル』ですが、弊社はセブ島を拠点にしたオフショア開発を行っています。現状は日本企業から依頼を受けて開発していますが、今後は海外の企業から依頼を受けて海外で開発する、本当の意味でグローバルな事業にチャレンジしていきたいです。なぜセブ島を拠点にしたのですか?とよく聞かれるのですが、英語圏であるため欧米企業を狙いやすい点、2015年当時は日本企業の進出が少なくグローバルなビジネスの足がかりとして適していた点も理由です」

 

 

佐藤「エクストリームのグループ会社、エクストリームベトナムもベトナムでオフショア開発を行っていますが、同じくASEAN地域で仕事を受注できるよう、自分たちでクライアントを開拓できる体制作りに取り組んでいるところです」

 

大山「現地で新規顧客を開拓すると言う課題は、まさに同じ方向を向いているということですね」

 

佐藤「今後、日本の経済成長よりASEAN地域における成長の方が圧倒的に早く拡大します。その地域にいてその潮流に乗らない手は無いと考えています」

 

大山「確かにグローバルなトレンドをいち早くキャッチして実行に移すことは成長の鍵ですね。世界中の企業のDX支援に、エクストリームさんとLIGで、何か一緒に取り組めるといいですね」

 

佐藤「今回は『超兄貴』をきっかけにご縁をいただきましたが、DX化に不可欠なデジタル人材のアサインや受託開発の領域でもお力になれると感じました。ぜひ、グローバルな規模でプロジェクトをご一緒できれば嬉しいです」

 

 

大山社長、ありがとうございました!

 

今回はエクストリームの保有するIP「超兄貴」のライセンスアウトがお付き合いの始まりでしたが、両社ともデジタルクリエイティブの会社として、クライアントの事業拡大をサポートしています。DXというトレンドの中でデザイン・システム開発・オフショア開発という共通した事業領域を持つLIGとエクストリーム。これからも共にチャレンジし、成長していきます!

 

株式会社LIG様公式サイト

https://liginc.co.jp/

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