エンジニアが知っておきたい、ブロックチェーンの仕組みや開発言語

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近年、「ブロックチェーン」という言葉を耳にすることが増えてきました。ブロックチェーンは外部の人間によるデータ改ざんが難しい、コストが低いなどのメリットがあり、今後需要が増えていくことが予想されます。現在は主に金融業界での利用が進んでいる技術ですが、他の業界でも応用可能な技術で、システムエンジニアであれば、ぜひとも習得しておきたい技術です。

 

 

ブロックチェーンの仕組み

 ブロックチェーンは一つのサーバーですべてのデータを管理するクライアント・サーバー方式ではなく、「ピアツーピア方式」と言われる複数のコンピューターで分散して情報を管理する仕組みをとります。そのため、何らかの障害で一部のコンピューターがダウンしても、他のコンピューターが稼働していればシステムを利用できます。さらに、サーバーへの負荷も分散できるので、処理速度も改善することが可能です。

また、データ改ざんの対策にも優れています。ブロックチェーンは過去のデータも含めて保存し管理します。最新のブロックと一つ前のブロックのハッシュが一致しない場合は不正があったとみなされるため、すべてのブロックのデータを改ざんする必要があり、さらに他の端末のデータも改ざんしなければならないため、データの改ざんは事実上不可能と言われています。

そして、ブロックチェーンを取り入れることで従来から利用しているサービスを低コストで提供できる場合もあります。ブロックチェーンを利用することで、中央機関を介さず個人と個人が直接やり取りすることができるようになるため、今まではサービスを受ける際に必要だった手数料が無料になることもあります。

主にこれらのメリットがあるため、ブロックチェーンは世間から注目されています。

 

 

ブロックチェーンが利用されている分野

1. スマートコントラクト

 契約の条件の確認や履行を自動的に行う仕組みで、このスマートコントラクトの実装にはブロックチェーンが使われています。改ざんが非常に難しいということもあり、人を介すことなく契約の締結できるのでコスト面でも優れています。

 

2. eコマース

たとえば、OpenBazaarという誰でもモノやサービスを出品することができるサービスでは、ブロックチェーンを利用して決済できる仕組みになっています。そのため、売り手と買い手の間にカード会社などの中間業者が入らないため、手数料が無料、というメリットを提供できています。

 

3. シェアリングエコノミー

海外ではすでにかなり普及しているシェアリングエコノミーでは、ブロックチェーンがすでに採用されています。シェアリングエコノミーとは、モノやサービスなどを他人と共有したり交換したりする仕組みのことで、「Uber(一般のドライバーが自家用車でタクシーのようなサービスを行う)」や「Airbnb(他人に部屋を貸すサービスを行う)」などが有名です。個人間でモノをやり取りするサービスなので、実装にはブロックチェーンが適しています。

 

ブロックチェーンを勉強するには

 ブロックチェーンを実装できるようになるにはどのような勉強をしていくべきでしょうか。おそらく、ブロックチェーンの実装実績がある言語を何か一つキャッチアップしておくと良いのではないか、と考える人が多いと思います。しかし、実装言語よりもまずその仕組みを理解しておくことがおすすめです。ブロックチェーンを開発できる言語は多数あり、ライブラリが多いのは「JavaScript」で、仮想通貨関連のシステムは「C++」や「C#」、スマートコントラクトを扱うのであれば「Solidity」、産業用のシステム開発におけるブロックチェーンは「Java」が適しています。つまりブロックチェーンを実装できる言語は多く、また、ブロックチェーンの仕組みを取り入れるかどうかで採用するプログラミング言語を決定することは通常ありません。ブロックチェーンは多くの産業に応用可能で、今後需要が高くなることが予想されている技術で、各言語にブロックチェーンを実装するためのライブラリが増えていくことが予想されます。今はブロックチェーンの実装実績が少ない言語でも今後はどんどん増えていくでしょう。そのため、勉強するのであれば、ある言語での実装方法ではなくまず仕組みを理解すると良いでしょう。

 

 

まとめ

 ブロックチェーンはさまざまな産業で応用可能な技術です。AIと同様、これから多くのシステムで採用されていく仕組みになることは間違いありません。ブロックチェーン関連の知識やスキルは、今後IT業界で活躍していくうえで必須となるため、早めに理解しておくことが望ましいでしょう。

 

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