所属クリエイターが企業の枠を超えて活躍するエクストリームでは、常に業界のトレンド情報が集まることで、クリエイターのスキルアップを促しています。
そんなエクストリームが情報共有をより活性化するために導入したのが、企業向けウィキとして知られるConfluenceです。
約300名ものクリエイターは、どのように情報共有を行っているのか。今回はConfluence導入の担当者であるクリエイター&エンジニア統括部の鈴木と、クリエイターとして日々Confluenceを活用しているゲームプランナー・宮本にインタビューを行いました。
クリエイター&エンジニア本部 クリエイター&エンジニア統括部
部長 鈴木
・まずは導入の経緯について教えてください。
鈴木「社員の成長をサポートする取り組みの一環として、導入がスタートしました。
弊社はクリエイター・エンジニアのプロダクションなので、メンバーは主にクライアント様オフィスに常駐しています。
相互に交流する時間が限られているので、現場で学んだ知識も個人の中に留まる傾向にあります。
これだけたくさんのクリエイターが所属しているのに、それを仲間へシェア出来ないのはもったいないですよね。
一人ひとりの努力による成長に加え、個人の経験を社員同士でヨコ展開することにより、掛け算式にクリエイターが成長出来るツールとして、Confluenceの導入に至りました」
・社員はどのような用途で使用しているのでしょうか。
鈴木「役職などのレイヤーによって異なります。例えば課長職だと、課のミッションやプロジェクトの進捗、業務の遂行率を管理するツールとして使用しています。
こういった用途は業務管理専用のガントチャートツールなどの方が適しているのかもしれませんが、私たちの方針として、もう少しコミュニケーション寄りの役割を持ったツールを求めていたんです。
実際に、管理職ではない一般社員には、業務に直接関係の無い“ゆるい”投稿、つまりコミュニケーション先行の投稿も推奨しています」
・社員1人ひとりで使い方が異なる、柔軟なツールとして導入しているわけですね。
鈴木「そうですね。一般的な使用用途としては、技術的なtipsやFAQ、分散する資料を取りまとめる資料ポータルなどの用途で柔軟に使用し、
管理職になってくるとプロジェクトの進捗管理などが入ってくるイメージですね」
クリエイター&エンジニア本部 宮本
・クリエイターの方はそういった技術的な情報を、日々の業務に活用しているのでしょうか?
宮本「はい。コードの書き方など、業務の中でわからない情報にあたった際に解決策を探すことが多いようです。
私に関してはプランナーなので、技術的なtipsを参照する機会は多くありません。プログラミングなどと違って『こう書けば、こう機能する』という具体的な解決策がある職種ではないので。
だからこそ、業務とは直接関係の無い投稿が見られるのは嬉しいですね。それらを読んでトレンド情報をインプットしたり、企画のヒントを得ることが出来るんです。
やはり、プランナーは引き出しの多さが大事なので、忙しい中でもインプット量を増やすことが出来るツールとして重宝しています」
鈴木「インプットは大事ですからね。業務以外の投稿例で言えば、ハマっている海外ドラマをひたすら紹介するだけの投稿などもあります。
そういった記事から『今はこれが人気なのか。なんでだろう』と考えることで、企画案に繋がる例もあるようです」
・とても幅広い用途で利用されているんですね。『こんな投稿もアリなんだ』と驚いた例などはありますか?
宮本「個人的にVTuberに注目しているのですが、VTuber市場を分析した投稿は面白かったですね。
注目のVTuberの紹介や、実際にVTuberとして配信するための機材まで解説していて、思わず“いいね”を押してしまいました(笑)
社員数がとても多いので、誰でも何かしら引っかかるものがあると思うんです。
そういった趣味的な記事を入り口にして、そこから記事を書いたり、ナレッジを共有したりする段階を踏めば、より皆が活用出来るかなと思います。」
・導入はスムーズに進んだのでしょうか。
鈴木「グーグルアナリティクスを使って利用率を計測しているのですが、利用状況は右肩上がりです。
社内ツールの導入例としては、よく利用されている方だと思います。しかし、社員間で利用率に差があることも事実です。
なので、より多くの社員に利用してもらうためにも『オープンナレッジアワード』という社内アワードを設けています」
・そのアワードについて詳しく教えてください。
鈴木「Confluence導入の大きな目的の一つである、ナレッジベースの構築を推進するために設けた社内アワードです。
投稿記事への“いいね”数が高い方に、報奨金を支給する制度です。
投稿が無いことにはナレッジも溜まらず、社員のスキルアップにも繋がらないないので、まずは投稿数を増やす目的で導入しました。そして、こちらの宮本も月間アワード受賞者の一人になります」
・受賞した投稿はどのような内容ですか?
宮本「CEDEC(一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会が主催する、ゲーム関連技術者向け交流会・勉強会)のレポートです。
ありがたいことに“いいね”をたくさんいただき、月間アワードを受賞出来ました。
こうした研修のレポートにもConfluenceは活用されていて、社内の事例ではProject NAZCAや、社内勉強会にも使われています」
・スキルアップやトレンド情報の把握にも、とても役立ちそうですね。そのような投稿は、例えば産休・育休取得中の社員も閲覧出来るのでしょうか?
鈴木「Confluenceのアカウントはクリエイター&エンジニア本部に所属していれば誰でも付与されるので、勤務状態とは関係なく利用出来ます。
産休・育休中の社員は家庭のことで大変でしょうが、トレンド情報をフォローアップする用途として、活用してほしいですね」
・業務に直接関係の無い投稿だと、どのように使用されているのでしょうか?
鈴木「管理職以外はゆるい内容の投稿も推奨しているので、そもそも誰が何をやっているのかを把握するための、自己紹介を投稿してもらうことが多いですね。
もちろん、強制ではありませんが」
宮本「普段どういう仕事をしているか、どういった趣味を持っているかなどを共有する“社内SNS”感覚で使っています。
他の人が興味を持っている対象を素早くインプット出来るので、とても便利だと思います」
・そういった制度が整っていると、中途入社の方も心強そうですね。
宮本「そうですね。どうしても常駐先で過ごす時間が長くなってしまうのですが、Confluenceがあることで会社の文化が把握しやすくなっていると思います。
自分も入社して1年半ほどなのですが、エクストリーム社にはどんな社員がいるのかを、Confluenceを通じ、改めて知ることが出来ました。
中途入社の方や社歴が浅い方も『この会社に自分が所属しているんだな』と感じられると思います」
鈴木「他には、社内部活の企画会議などにも活用されていますね。
関連した話としては、社員に向けて私直通のチャットを解放してありまして、他人に見られたくない事項を直接相談出来るようにしているんです。
気軽に相談出来るだけあり、たくさん質問が来て大変なんですけども(苦笑)そういった繋がりによる安心感って、あると思うんですよね。
社員1人ひとりが安心して働くためにも、今後もConfluenceを活用していきたいです」
・それでは最後に、導入後でここが変わった、と感じる部分を教えてください。
鈴木「元々の導入目的であった社員間の交流促進は、土壌として改善出来たと考えています。
他のメリットとしては、安心感が生まれた点でしょうか。今まで社員一人ひとりが不安な状況で仕事をしていたのが、他の社員に頼りやすくなったという声をもらいます。
安心感があるからこそ、失敗を恐れずにチャレンジする勇気が生まれる。そこで得た成功体験が、他の人の助けになる…といった、生産性の向上が起き始めていると感じています」
宮本「私が一緒の現場で働いているエクストリーム社員は5人程度なのですが、それ以外にも『こんな仕事をしている人が社内にいるんだ』『こんなことを考えている人もいるんだな』と、
Confluence上で日々発見があります。そういった仲間意識というか、連帯感を感じることの出来るコミュニティの存在は、社員として心強いものがありますね」
エクストリームではConfluenceを情報共有ツールとしてだけではなく、コミュニケーションツールとして活用することで、社の行動指針である「スピード・クオリティ・チャレンジ」を実践し、「クリエイターが主役の会社」として成長していくことを目指しています。