「本気でゲームをやる」シリーズ

32歳会社員が「リーグ・オブ・レジェンド」で本気で上を目指してみた(第3回)

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「シーズン9」が始まりました

人気海外ドラマシリーズの話ではありません。「リーグ・オブ・レジェンド」の「シーズン9」、つまり9年目のシーズンが1月23日、ついに始まりました。どういうことかというと、リーグ・オブ・レジェンドのプレイヤーは毎年1月に始まり11月に終わる「シーズン」の間、少しでも高いランクを目指して励みます。(私のような)前シーズンでの成績がぱっとしなかったプレイヤーは特に、今年こそはと気持ちを新たにして上を目指します。

 

11月に前シーズンが終わって1月に新シーズンが始まるまでのはざまの期間は「プレシーズン」と呼ばれている2ヶ月ほどの準備期間です。ゲーム自体はシーズン中と同じようにできるのですが、そこでどれだけ勝っても負けても、シーズンが始まってしまえばランクがリセットされるので、どのプレイヤーも少し気持ちが緩んでいたり、実験的にいろんなことを試してみたりしています。(開発運営元であるライアット・ゲームスもこの期間にいろんなことを試します。)シーズン本番が始まると、ムードが変わってどのプレイヤーも「超真剣」モードになります。「4月までにゴールドになる」私の戦いもここからが本番なのです。

 

どうすればゴールドになれるのか

私が「リーグ・オブ・レジェンド」を始めたのはシーズン5、つまり2015年のことです。以後4年間、このゲームとくっついたり離れたりはしていたものの、やっている間はずっとゴールドになりたいと思っていました。にもかかわらず4年かけてもなれていないということは、これまでとやり方や考え方を変えなければならないようです。いったいどうすればよいのか? 今シーズンは次の2点を徹底することでゴールドになれると確信しています。

 

(1)人にアドバイスを求め、人のアドバイスを素直に聞く

あらゆるスポーツにはコーチがおり、コーチングはそれ自体がスポーツの重要なテーマです。eスポーツにおいても同じことで、プロの試合ではコーチの力量が勝敗に直結します。しかし一般的には「ゲーム」を体系的に人に教えてもらうという発想はまだまだ浸透してないのではないでしょうか?

 

私自身は、このゲームを始めて間もない頃、面識のないオンライン上の「フレンド」にいろいろ教えてもらっていました。しかしその「フレンド」のチームメイトに対する暴言が聞くに堪えないものだったので(このゲームのチームは試合ごとにランダムに組まれ、通常の人間関係は存在しないため、味方に対して暴言を吐く人が結構います。残念なことですが…)、徐々に疎遠になり、いつしか一人でもくもくプレイするようになりました。そのころもプロの試合や上級者の配信はよく観て勉強していましたが、自分のプレイのどこが良くないか上級者に直接見てもらうことはほぼありませんでした。

 

久々に自分のプレイを他の人に見せたのは、会社の同僚にたまたま「ダイヤモンド」ランクの上級者(しかも暴言をはかない)がいたのがわかったときです。上級者のアドバイスは目から鱗の連続で、同じゲームをやっていても見えているものが相当違うということを思い知らされました。その様子をまとめたのが前回の記事です。

 

「ゲーム」はスポーツと同じように、上手くなるために固めるべき基礎やカリキュラムがあるもので、それらはセンスに恵まれたごく一部の人を除いては人に教えられなければ身につかないもののようです。逆に言えば、センスなどなくとも上級者のアドバイスをしっかりと聞くことで、それらを身に着けることができるということでしょう。

 

ところで、前回大樹さんに受けたアドバイスで私のプレイはどのように変わったでしょうか? CSが重要だといわれて、その後プラクティス・モード(練習モード)で地道なCS練習を重ねました。また、キル関与率が重要だといわれて毎試合「キルへの貢献」を意識するようになりました。

 

前回時点での直近4試合(プレシーズン中)

 

今回時点での直近4試合(シーズン9開始後)

 

前回大樹さんに重要だといわれていた「CS」と「キル関与率」に注目しましょう。 使用キャラクターは「ジャングル」(ポジションの名称です。このゲームのポジションについての解説はこちら)のときは「シン・ジャオ」、「トップ」(こちらもポジションです)のときは「サイオン」というのは相変わらずです。前回も今回も合計4試合を切り出していますが、ジャングルでシン・ジャオをやった試合が前回は3試合で今回は2試合、トップでサイオンをやった試合が前回は1試合で今回は2試合です。

 

前回のジャングルでの成績

 

今回のジャングルでの成績

 

「ジャングル」のときの分間CSが前回は1試合目3.6、2試合目2.8、3試合目5.4だったのが、今回は1試合目4.6、2試合目5.2と全体的には向上、またキル関与率が1試合目31%、2試合目16%、3試合目33%だったのが1試合目50%、2試合目34%と改善しています。

 

前回のトップでの成績

 

今回のトップでの成績

 

「トップ」のときは、前回1試合やって分間CS 4.3、キル関与率26%だったのが、今回は分間CSが1試合目5.6、2試合目5.9、キル関与率が1試合目39%、2試合目40%とかなり良くなっています。

 

アドバイスを受けた成果がしっかり出ているといえるでしょう!

 

(2)LFS池袋でプレイする

先月の記事で、池袋のeスポーツ施設LFS池袋 eスポーツアリーナをご紹介しました。このとき私は「仕事」で訪れたのですが、その環境の素晴らしさに魅せられてそれ以降、プライベートでもちょくちょく行くようになりました。

 

そして気づいたのです、リーグ・オブ・レジェンドで本気で上達を目指し、ゴールドに到達するためには、プレイの場はLFS池袋に限るべきであると…。

 

「自宅では集中できない」タイプの人は、勉強や仕事にとりかかるとき、休日であってもカフェや自習スペースのようなところに出向くかと思います。そのタイプの人でも、まったくの娯楽としてゲームをやるのであれば、わざわざ外に出るのはバカらしいと感じるかもしれません。しかし「超真剣に」ゲームをやるとなればどうでしょう? 特にリーグ・オブ・レジェンドのような、非常に高い集中力を要するゲームでは「環境」を軽視するわけにはいきません。

 

私のいまの自宅のPCは購入して5年目、まだまだ使えるのですがゲームの起動はあからさまに遅くなってきました。マンションの共有であるネット回線も若干不安定です。以前一度、自分のゲームロードが完了したときに試合開始から1分半経過していたことがあり、味方に大迷惑をかけてしまいました。こういう設備面でのフラストレーションとはLFS池袋でプレイすることで完全に無縁になります。

 

そして何より、LFS池袋には周囲にも真剣にゲームをやる「仲間」がたくさんいて、空気が張り詰めています。フィットネスジムに行くと周りがみんな頑張って運動しているのに合わせて自分も頑張らざるを得なくなるのと同じで、周囲に負けまいとする気持ちが自然と高ぶります。

 

もっとも、LFS池袋のようなeスポーツの環境に特化した施設は首都圏であってもまだまだ稀です。たまたま自分は池袋の会社・エクストリームで働いているので、その点では恵まれていました。より多くの人が「真剣にゲームをプレイする」環境にアクセスできる時代が到来することを願っています!

 

 

さてこれまでのところ、これまで述べてきた2点を徹底している成果か、今シーズンの成績は3勝1敗と幸先良いものになっています。残された時間はあと3ヶ月ほど。これくらいの勝率を維持できれば、かなり早い段階で達成できそうですが、果たしてどうなるでしょうか。