「本気でゲームをやる」シリーズ

32歳会社員が、「リーグ・オブ・レジェンド」で本気で上を目指してみた(第2回)

こんにちは、「リーグ・オブ・レジェンド」プレイヤーの伊藤です。前回、11月1日に「4月までにゴールドになる!」と宣言しましたがその後どうなっているでしょうか?

 

最近の自分の戦績はこちら。

 

 

あからさまに敗北が多く、スコアもパッとしないですね。こんなんで目標達成できるのでしょうか?

 

ここでなんと、広報担当の大樹さんがリーグ・オブ・レジェンドのランクが「ダイヤ」ということで、アドバイスをもらえることになりました。

 

▲大樹さん

 

上の伊藤の戦績を見た大樹さん、早速ダメ出しです。

 

「一番下の試合は勝ってるみたいですけど、キル関与率33%じゃ活躍したとはいえませんね。あと、CSもレーナーで4.3/分というのは低いです。こんなCSじゃ装備も整わず、試合で活躍できませんよ」

 

 

 

うーむ、わかっちゃいるんですけどね。「勝つ」ことと「活躍して勝つ」ことの間には、実際大きな開きがあります。

 

▲伊藤のCSはトップレーンで4.3/分しかなく、キル関与率は26%しかない

 

このゲームをある程度やっていると、「無難に」プレイする方法を覚えてくるので、「自分があまりにメチャクチャなせいで負ける」ということが少なくなってきます。このゲームは5対5のチーム戦なので、自分が無難にやっていれば、あとは他の4人まかせになります。友達と2人以上で組になって挑むのでなければ、味方の4人も敵の5人もマッチングシステムがランダムで選んだ4人で、味方に調子が良かったり上手かったりする人が来ることもあれば、そうでないこともあります。

 

「無難なプレイ」を心がけると結果的に「メチャクチャやってた」ときよりも勝率は上がりますが、自分の力で勝ったというよりは「味方が強ければ勝って、そうでもなければ負ける」という「味方ガチャ」を引いているような感覚になりがちです。そうすると勝率は一定以上にはならず、上のランクに進むこともできません。一定以上の勝率を実現するためには、味方頼みでなく自分が活躍して勝つことが必要になります。

 

では、活躍するにはどうすればいいんでしょうか?

 

「意識してほしいことは2つです。特にレーンで戦うならなんですけれども、CSをちゃんと取って、さらにキル関与率を高めていきましょう」

 

 

 

 

CSというのは、Creep Score(クリープ・スコア)の略で、一定時間ごとに沸いてくる敵のミニオンやモンスターを倒した数のことです。ただ攻撃して倒せばいいわけではなく、ミニオンやモンスターの「ラストヒット」を取る、つまり最後の一撃を自分で攻撃しなければ倒したことにはならず、ゴールド(お金)をもらうことができません。ゴールドがもらえないと、装備を整えることもできません。この「最後の一撃を自分で攻撃する」というのが細やかな技術の求められるところです。敵ミニオンやモンスターを攻撃するのは自分の操作するキャラだけではなく、自軍ミニオンやタワーと呼ばれる固定砲台も攻撃しています。彼らの攻撃の合間を縫って、「最後の一撃」を自分が与えなければならないのです。

 

このようにしてCSを稼ぐことで自分のキャラを強くする(「リーグ・オブ・レジェンド」に限らず、eスポーツ系タイトルでは「キャラが強くなる」のはその試合限りで、試合が終われば強さがリセットされます。なので限られた試合時間内に「戦略的にキャラを育成する」ことが必要になります。)ことができますが、向上させるには根気強い練習、それこそバットや竹刀の素振りを何百回と繰り返すような練習が必要となる分野です。逆にいえば、ちゃんと地道に練習さえすれば成果が保証されているということでもあります。

 

一方の「キル関与率」というのは、NPCであるミニオンやモンスターではなく、人間が操作している敵キャラクターを倒すことを「キル」というのですが、キルに自分がどれだけ関わったかという数値です。MOBA系ゲームでは敵キャラクターを倒したときのボーナスが非常に大きいので、キルを取るというのは勝利に直結する事項です。ミニオンやモンスターと違い、生身の人間が操作しているのでおとなしく倒されてはくれず、相手を出し抜く戦略と技術が必要になります。

 

この2つが大切で、しかも自分に全然足りてないことはわかります。でも大樹さんはどれくらいできてるんですか?

 

「自分はダイヤなんで、だいたいCSはレーンで戦うときは分間7、キル関与率は55%くらいあります。伊藤さんはとりあえずトップレーンでやって、いま4.3/分しかないCSを7/分に、キル関与率は45%くらいを目指したいですね」

 

 

 

 

▲「リーグ・オブ・レジェンド」にはマップ上に自陣と敵陣をつなぐ3本の道が存在し、

トップレーンは一番上のレーンである。

 

でも、2つを両立するのは大変ですよね? キル関与を高めるためにはある程度CSを犠牲にしなければならないし、CSに集中していたらキルに関わっていくのがどうしても難しくなります。

 

「まあ、そうですね。なので同時に2つがんばるというより、片方ずつ順にやっていきましょう! やっぱりCSのほうが地道に練習していればなんとかなるので、まずはこっちじゃないですか? もちろん、CSをがんばる段階だからキル関与率は気にしなくていいやなんて思わず、ちゃんと毎試合反省してくださいね!」

 

 

 

というわけで、上級者にアドバイスを求めにいった結果、野球でいう素振りや基礎体力づくりに相当する “CS” をちゃんとやれ、「とにかく基礎を固めろ」というお言葉を頂戴することになりました。「そんなこと言われなくてもわかってるよ」などと若き日の自分なら反発したかもしれませんが…。しかしある程度長くやっていることについて「基礎が足りない」と指摘してもらえるありがたさは、大人になるとしみじみわかるもの。

 

まずはこの、基礎でありかつ数値として明確に現れる「CS」を改善していくところからしっかりやっていきたいと思います。その成果が現れるかどうか、次回ご覧ください。