【話題性から定着へ】2021年のeスポーツ界を振り返る

#eスポーツ

2021年も残すところあと僅かとなりました。昨年から新型コロナウイルス感染拡大の影響が続くなか、無観客での東京オリンピック開催、新しい生活様式の浸透など「withコロナ」が何かと話題になる一年間でした。

 

 

今回はそんな2021年を、eスポーツシーンの目線から振り返ります。

 

継続した「巣ごもり需要」の恩恵

 

まず印象的だったのは、コロナ禍での「巣ごもり需要」が継続したことによるゲーム業界の好調さ。eスポーツ向けのタイトルだけでなく、ゲームというコンテンツ全体に引き続き注目が集まりました。

 

ニンテンドースイッチ本体と関連ソフトが人気を集めた任天堂は、過去最高を記録した2020年には僅かに及ばないものの、コロナ以前の2019年と比較すると大幅な増収を維持。ソニーグループもゲーム関連事業が数字を伸ばしていると9月の中間決算で報告されており、他ソフトウェアメーカーも同様に好調な業績が数多く報じられています。

 

昨年の緊急事態宣言時にゲームハードやソフトを購入してプレイし始めた人に“新しい趣味”としてゲームが定着しつつあるとの見方もあり、このブームと言える好調をどれだけ長期的に繋げていくことができるかも今後は重要なポイントになりそうです。

 

一方で、そうした「今後」への不安として残るのはハードウェアの供給面です。世界的な半導体不足によってゲーム機の生産は需要に対して追い付いておらず、新型機として注目を集めているプレイステーション5は発売開始から1年が経過しても品薄状態が続いています。

 

半導体問題の解決に向けては具体的な目途が立っておらず、ハイスペックなPCに不可欠なグラフィック系のパーツも価格が高騰しています。今後市場を維持拡大していくためにも、新しくゲームを始めたい人やより良いハードウェア環境の購入を考えている人が気軽に購入できる状況の復活が待ち望まれます。

 

インフルエンサー大会の本格化

 

ゲーム人気の高まりを受け「ゲーム配信」への注目も高まりました。ヴァーチャルキャラクターを用いたストリーマー、いわゆる「Vtuber」の大ブームに加え、昨今はタレントやアーティストがゲーム配信専用のチャンネルを立ち上げて発信・交流手段として活用するケースも目立つようになっています。

 

こうした背景もあって2021年のeスポーツシーンは配信者の存在感が非常に強まった一年となり、プロ選手だけでなくストリーマーや著名人が参加する招待制の「インフルエンサー大会」形式のイベントが数多く見られました。

 

中でもプロゲーミングチーム「CrazyRaccoon」が主催し、『Apex Legends』や『VALORANT』などの人気FPSタイトルを題材に定期的に開催されている「CRカップ」は10万人以上の同時接続数を誇る一大コンテンツとなっています。山田涼介さんや関口メンディーさんなど、普段はゲームとは異なる業界で活躍する著名人の参戦も話題を呼びました。

 

インフルエンサー大会は豪華な参加者同士の普段は見られない交流が大きな魅力ではありますが、視聴者にとって「ゲーム対戦を応援する面白さ」を体験する機会になっているとも考えられます。ストリーマーやタレントを応援している層にもeスポーツ観戦の魅力を広め、参加したプロ選手の知名度が高まるきっかけとして、eスポーツの今後に大きな効果が期待できるコンテンツと言えるでしょう。

 

オンライン大会の洗練と国際大会の再開

 

オンラインで繋がってプレイできるタイトルが人気となり、オンラインのイベントが注目された2021年。プロeスポーツ選手の活躍の場である競技性の高い大会も、やはりオンラインでの開催がメインとなっています。

 

出場者がそれぞれの環境から参加するオンライン大会は個別のトラブル対応が難しく、選手の姿や声を配信で反映させるような演出にも制限がかかるためオフラインに比べてスムーズな進行が行いづらいとされてきました。

 

ですが、現在では殆どの大会でオンラインならではの自由さを生かしながらオフラインと遜色ないほどスムーズな運営・配信が行われるようになっており、大会制作を担う方々のアイデアと適応力の素晴らしさを改めて感じる機会となりました。

 

同時に参加者サイドの「オンライン形式慣れ」やリモート環境の整備が進んだことも要因と考えられ、こうして運営と参加者の双方にオンライン大会のノウハウが蓄積されることで小規模なコミュニティ大会も開催されやすくなり、裾野の拡大にも繋がっていると考えられます。

 

一方で感染拡大状況を見極めながらではありますがオフライン大会も再開され始めており、徐々に渡航を伴う国際大会も復活しつつあります。世界中で1億人ものプレイ人口を誇る『League of Legends』の世界大会では日本勢が過去最高の成績を収めたことがeスポーツ界で大きなニュースとなり、日本eスポーツシーンが着実に前進していることをアピールしました。

 

 

国内では東京オリンピックの開催に合わせて国際オリンピック委員会(IOC)公認のeスポーツ大会「オリンピック・バーチャル・シリーズ」が開催されるなど、日本eスポーツ界は引き続き注目を集める一年だったと言えるでしょう。

 

ここ数年は広い層に「eスポーツ」という言葉が知られていく段階だとすれば、2021年は需要に応える自然な形でゲームやeスポーツがより身近になるステップだったと捉えることができるのではないでしょうか。

 

2022年のeスポーツ界は果たしてどのような年になるのか。より良い一年となることを、引き続き期待したいと思います。

 

 

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