ゲーム好きが集まる新形態のイベントに

大阪で開催された「ゲーミングバザー 2024春」レポート&インタビュー

#eスポーツ

マウスやキーボード、そしてマウスパッドなどゲームプレイ時に使用するデバイス。精密な操作を要求されるeスポーツタイトルでは素材や僅かな形状の違いが大きな影響を及ぼすこともあり、購入する前に一度は実際の使い心地を確かめてみたいものです。

 

そんなゲームファンにピッタリの「ゲーミングバザー」というイベントが開催されているのをご存知でしょうか。こちらは自作デバイスや使わなくなったアイテムを販売・交換したり、オリジナルグッズやアートを展示したりと、その名の通りゲームにまつわるものを幅広く扱っている2022年にスタートしたバザー形式のイベントです。

 

今回は2024年5月25日に大阪で開催された「ゲーミングバザー2024春@大阪」の模様をレポート形式でお届け。さらに主催者の方にメールインタビューでイベントの背景や展望を伺いました。

 

買い物だけじゃないアットホームなイベント

 

会場となったのは大阪・本町にある大阪産業創造館3階の「マーケットプラザ」。当日は場内に30小間以上の出展ブースが設けられ、個人出展だけではなくデバイスメーカーなど企業によるブースも多数並びました。

 

 

企業ブースでは実物の商品を確認でき、担当者とコミュニケーションを取りながら自分にあったアイテムが選べる貴重な機会になっています。中には新商品のプロトタイプを展示しているブースやなかなか直接購入する機会のない海外メーカーのデバイスを扱っている代理店のブースもあり、どれだけ大規模の量販店であっても再現できないラインナップが揃っていたと言えるでしょう。

 

様々なブースで展示・販売されている複数のデバイスを組み合わせた、会場ならではの“セットアップ”で実際にゲームをプレイできるエリアも用意されており、その場で購入する場合に限らず、普段使用しているものとは異なるタイプのデバイスや新しい技術を用いたデバイスを体験できる場として、多くのゲーマーが詰めかけていました。

 

▲あまり見られない展示形式も

 

また、個人ブースでは中古デバイスだけでなくゲームプレイを快適にするための自作アイテムを販売している出展者も多く、それ以外にもコミュニティ活動の宣伝や同人誌の頒布などを行うサークルの姿も見られました。

 

来場者の多くが実際にデバイスを購入している姿も印象的でしたが、販売以外を目的とする個人ブースなど幅広い展示があることで、買い物を済ませた後も会場を見て回る方も多く、マーケットイベントでありながら小規模な交流会のような雰囲気も生まれていたように感じられました。

 

当日は13時開場で最初の1時間のみ有料チケット購入者による先行入場を実施するスケジュールとなっており、14時以降は混雑状況を見ながら当日にホームページで発行できるweb整理券の番号に応じて無料で入場が可能になるシステムとなっていました。場内は先行入場の時点から多くの人出となり、時間いっぱいの17時頃まで来場者が途絶えることなく詰めかける盛況ぶりに。

 

中には終始行列が途絶えないほどの人気ブースもありましたが会場内外では混乱もなく、グループでワイワイと楽しんでいる方も多く見られるなど、ゲームやデバイスに興味がある人なら、ふらっと立ち寄って楽しめるようなイベントとなりました。

 

イベントの成り立ちと今後をメールインタビュー

 

この即売会ともコミュニティイベントとも少し違った新しいイベントを立ち上げたのは、たったひとりでゲーミングバザー運営委員会を担う田原氏です。

 

今回は、田原氏にメールインタビューでイベントの成り立ちや今後の展望を伺いました。

 

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──「ゲーミングバザー」というイベントが生まれた経緯を教えてください。

 

主に二つの理由があります。一つは、マウスやキーボード、マウスパッドといったゲーミングデバイスが多数販売されるようになり、使える状態だけれど不要になってしまったデバイスをお持ちの方が増えていて、必要な方に渡したいという声があったことです。

 

もう一つは、好きなゲームやチームを題材にした応援グッズや、ゲームをネタにしたオリジナルTシャツなどを展示したり頒布・交換できる場所を提供することです。こうしたゲームコミュニティ内での創作活動をより活発にできるのではと考えたことがスタートです。現在は、前者のデバイス関連の出店が主になっていますが、同人誌やオリジナルグッズの頒布に出店いただく方もちらほら出ています。私自身も、2024年秋の開催ではゲーマーコミュニティ内で通じるネタを元にしたTシャツの販売など行いたいと考えています。

 

──今回の大阪での開催は100人単位でweb整理券が発行されるなど、大盛況となったのではないでしょうか。所感をお聞かせください。

 

昨年の同時期の大阪開催は300名ほどの方にお越しいただきましたが、今回は倍以上の600名以上の方にお越しいただけて大盛況でした。ご来場いただいたみなさんのマナーも大変よく、主催としては非常に円滑に運営することができました。この場をお借りして、出展者のみなさん、ご来場のみなさん、運営にご協力いただいたボランティア各位にお礼申し上げます。

 

──来場者としてさらにリーチしたい層、あるいはこういった人に出展してほしいなど、拡大の方針はありますか。

 

来場者規模や収入を大きくしようという意図は一切ありません。出店したいという方が枠の数が足りず参加いただけない状態は解決したいので、そうした方がいる限りは規模の拡大を目指したいと考えていますが、あくまで出店者・来場者のニーズに応え、面白さを追求することが運営チームのミッションであると考えています。

 

当イベントはそもそも私の個人主催ですし、利益を追求する活動として継続していくつもりは毛頭ありません。どちらかといえば、気軽に個人で続けられる規模に収まっていてくれたほうが嬉しいというのが本音です。2024年秋開催の時点で、規模的にはちょっと大変なんですけどね…。

 

──少人数での運営という大変さもあると思われますが、今後さらなる発展に向けての展望、あるいは課題感があれば教えてください。

 

ゲーマーカルチャー自体はまだまだ右肩上がりで規模・熱量ともに盛り上がっていて、その盛り上げの一助になれる場所を提供できればと考えています。現在のところはシンプルな展示・即売会というイベント内容になっていますが、運営に余裕が出てくればこちらからご提案するコンテンツなども入れてみたいですね。

 

課題については、主催がもともと関東出身で、関西に最近移住したばかりのため、大阪開催については運営組織が作れていない点があります。今回の大阪開催である2024春も、スタッフの大半は関東から応援で駆けつけてくれたスタッフたちです。関東から来てもらうのもかなり大変なので、ローカルなチームもなんとか作れればと考えています。もし何らかの募集が出た際に、我こそはという方はぜひお声がけをお願いします!

 

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大いに盛り上がりを見せた大阪開催を経て、次回のゲーミングバザーは2024年10月12日に東京・浅草で開催予定と発表されています。

 

▲マウスパッド展示の様子

 

自分に適した新しいデバイス探しに興味のある方やデバイスを販売したい方はもちろん、出展者として創作活動を通じてゲームコミュニティと交流して盛り上げたい方、そしてサポート役としてイベントの今後に貢献したい方まで、今後の開催や発表にご注目ください。

 

ゲーミングバザー公式HP:https://gbaza.com/

 

掲載日:2024年6月27日

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