フリーランスのためのスキルシートの書き方

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プロジェクトへの参画や、案件紹介サービスへの登録時に求められる「スキルシート」。内容に明確な定義はありませんが、クリエイターやエンジニアがこれまでの経験を時系列でまとめる使い方が一般的です。

 

クライアントの担当者は、多くの場合開発現場にいるため忙しく、スキルシート一枚で採用の可否を判断することもあります。そのため、「相手にとってわかりやすい」スキルシートの作成が大変重要になってきます。

 

この記事では、クライアントの目に留まるスキルシートの書き方の基本について解説していきます。

 

スキルシートとは?

 

スキルシートとは、これまでの仕事の経験やスキルを、A4サイズ1~2枚程度に分かりやすくまとめた書類のことです。
職務経歴書と似ていますが、職務経歴書は履歴書と同時に提出することが多く、氏名以外の詳細なプロフィールがありません。いっぽうのスキルシートは、それ1枚でプロフィールもある程度わかるようになっています。
クリエイターやエンジニアのスキルシートは、経験をプロジェクト単位でまとめて技術力を伝えることを重視した構成になっているのが特徴です。

 

 

フリーランスがスキルシートを求められるケースとは?

 

フリーランスがスキルシートを作成するのは、どんなケースがあるのでしょうか。

 

案件紹介サービスに登録するとき

近年、フリーランスの利用者が増えている案件紹介サービス。スキルや個人の希望に合った案件を紹介してくれるため、仕事のツテがない方や、不安定なフリーランスという働き方に不安な方、営業に時間を割きたくないフリーランスから支持されています。
この案件紹介サービスに登録する場合も、スキルシートの提出が必要です。

 

契約を新規に結ぶケース(プロジェクトへの参画など)

案件を契約した先の企業が、フリーランスであるあなたの経歴や実績の確認のために、スキルシートの提出を求めるケースがあります。また、場合によっては、スキルシートだけでなく履歴書・職務経歴書を求められることもあります。

 

長期の契約を結ぶケース

長期案件の契約の場合、クライアントからスキルシートの提出を求められるケースがあります。外注するフリーランスを書類選考で決定するケースでは、あなたの経験・スキルが伝わる内容になっていないと受注に結びつきません。
企業への就職と同じように、選考基準はクライアントによって異なります。そのため、企業の選考基準の調査や、そのクライアントから仕事を受けたことのある同業者に話を聞くなどの対策ができると、よりよいでしょう。

 

スキルシートに記載する内容とは?

 

スキルシートにはどのような内容を記載するとよいのでしょうか。ここでは基本となる5つの項目について紹介します。

職務要約

まず、これまでの職務経験を要約して、わかりやすく伝えます。
会社員としての経歴については、「20XX年~20XX年 ◯◯株式会社」といったように、フリーランスに転向した場合は、「20XX年~現在 フリーランスとして活動中」といった記載をします。

 

経験・スキル

あなたが、どのような経験とスキルを持った人なのかを伝えます。担当者がスキルシートを隅から隅まで読み込まなくても、要点を把握できる内容が理想です。
また、スキルシートの書式に「環境」「言語」など、保有している技術をひと目でわかるようにまとめる項目があります。まずは、ここをチェックするクライアントも多いので、漏れなく記載しましょう。
経験してきた職務のなかで、応募する案件に求めているスキルや要件に合致した内容を前面に押し出して書いたり、経験が浅く技術が少ない場合「勉強中」として言語などを記載するなど、自分をアピールする工夫をするとよいでしょう。

 

経験プロジェクト

今まで経験してきたプロジェクトをまとめていきます。プロジェクトの概要、あなたが力を注いだポイント、そして成果の3点をわかりやすく記載しましょう。
プロジェクトの記載順は、時系列でもその逆でも構いませんが、最新のプロジェクトから記載したほうが担当者の目にとまりやすくなるでしょう。
経験や社数が多くシートが増えすぎる場合は、アピールすべきプロジェクトをいくつかに絞ることも必要です。反対に、小規模のプロジェクトを掛け持ちしていたなど、プロジェクト単位での記載が難しい場合は「自社メディアのUI改善」などとまとめてわかりやすくしてもよいでしょう。
また、秘密保持契約を結んでいるケースは、業種や規模が掴める程度に社名を伏せて記載しましょう。(例:大手家電メーカー・ITベンチャー企業など)

 

自己PR

経験やスキルをわかりやすくまとめたら、あなたの人柄も伝えましょう。仕事で心掛けていることや自身の強み、仕事選びの軸、今後のキャリアビジョンなどを自己PRとして記載しましょう。

 

スキルシート作成で気をつけたいポイント

 

スキルシートは、ただ作ればよいというものではありません。クライアントに実績をわかりやすく伝え、自らの能力をアピールすることが大切です。

 

クライアントが求めるスキル・能力をアピールしよう

クライアントが求めるスキル・能力から優先して記載しましょう。そうすることで、自身が即戦力であることをアピールできます。
もし、あなたが、さまざまなスキルを保持し、豊富な実績があり、大量の資格を持っていても、クライアントが必要としている能力とズレているように見えてしまっては、良い結果に繋がりません。
反対に、今はスキルがなくても、自己啓発に励んでいることをアピールし、それがクライアントの目に止まってプラスに作用することもあります。

 

人柄を伝えることも大切

スキルシートでは、自身の経験やスキルをわかりやすく記載することがとても大切ですが、箇条書きで理路整然と記していくため、どうしても事務的な内容になりがちです。
ただ、クライアントも、あなたの人柄は気になります。自己PRの欄などで、適度な「失敗談」や「そこから学んだこと」などを織り交ぜるなどの工夫があると、あなたがどんな人か、どのような姿勢で仕事に取り組む人なのかが伝わるかもしれません。

 

提出する前に必ず見直しをしよう

スキルシートは大量のデータをまとめ上げる作業なので、作り終わったときには疲れているかもしれません。ですが、そのまま見直さずに提出するのはやめましょう。
少し時間を置いてから見直したり、印刷して読み直すと、作っていたときには気づけなかったことに気づくことができます。誤字脱字や内容の誤りが良い印象につながることはありませんから、必ず見直しましょう。

 

【職種別】スキルシートに記載するのはこんな内容

 

スキルシートは、一般的にエンジニアが作成する機会の多いものですが、職種によっても記載する内容は異なります。ここでは、代表的な職種の記載例を紹介します。

 

開発者(システムエンジニア・プログラマ)

OS、言語、その他環境はかならず記載すべき事項です。
OSはLinuxかWindowsか、開発端末はMacかWindowsかを記載します。開発環境と本番環境が異なる場合は両方記載しましょう。LinuxコマンドやUNIXコマンドが使用できるなら、それもアピールすべきです。
言語は細かいバージョンを記載できればベストです。
例えば、JavaScriptであればJQueryなどのFW、Ajaxなどの非同期通信への知見などがあれば記載するとよいでしょう。
技術力が高いエンジニアを求めている企業ほど、その他環境をよく見ている傾向があります。主にミドルウェア、各種ツール類を確認します。フレームワーク、WEBサーバー、APサーバー、Git、Redmineなど、利用した環境は詳細に記載しましょう。

 

インフラエンジニア

ハードウェア、OS、ミドルウェアは必ず記載すべき事項です。
ハードウェアはストレージやラックサーバーなどのハードウェア製品を、OSはバージョンだけでなく、たとえば「Linux」なら、「CentOS」か「Ubuntu」なのか…なども細かく記載しましょう。ミドルウェアも幅広いため、DB/AP/WEBサーバー、監視・バックアップツールなどを記載するとよいでしょう。

 

クリエイター(デザイナー・ディレクター他)

デザイン系ツール(Illustrator、Photoshop、Fireworks他)、オーサリングツール(Dreamweaver他)、HTMLやCSS、JavaScriptなどのスキルを明示することが重要です。バージョンや、使用したライブラリなども記載しましょう。
デザイナーの場合ポートフォリオが重要ですが、それに頼りすぎず、文字だけでもある程度経験が伝わるようにする意識をしましょう。

 

最後に…

 

この記事では、スキルシートの書き方の基本を解説しました。
スキルシートの書き方ひとつで、自分の能力が相手に伝わるかが決まります。見せ方次第では、未経験の分野に挑戦できる案件の受注に繋がるケースもあります。
また、作ったスキルシートが古くなってしまった場合は、スキルシートの内容を見直す事も大切です。自分のアピールポイントを見える化でき、自身の強みを把握することもできます。
なお、スキルシートの書式は、先方から指定されるケースと、自分で用意するケースがあります。ネット上にはさまざまなテンプレートが紹介されているので、初めはそういったものを利用するとよいでしょう。

 
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