より真剣に、より見やすく

eスポーツによって変化するタイトルたち

#eスポーツ

日本最大のゲーム見本市「東京ゲームショウ」。

 

毎年9月に幕張メッセでの開催が恒例となっていますが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあってオンラインでの開催となり、出展各社は様々な工夫を凝らした配信によってユーザーへのPRを行いました。

 

コロナ禍でゲーム製作にも少なからず影響が予想される状況下であっても例年にも負けない数多くの発表がありました。中でも大きな話題を呼んだのがセガケームスより発表された『バーチャファイター』の復活です。

 

『バーチャファイター』は1993年にアーケードゲームとして誕生し「世界初の3D格闘ゲーム」としも知られる名作。2010年にリリースされた『バーチャファイター5 ファイナルショーダウン』を最後に新作は登場していませんでしたが、空白期間を経てeスポーツタイトルとして再始動すると発表されました。

 

昨今のeスポーツ人気がシリーズの再始動を促したとも受け取ることができますが、実はこの『バーチャファイター』のようにeスポーツの流行がゲームの内容や開発に影響を当たるケースが徐々に増え始めています。

 

 

今回はゲーム対戦競技であるeスポーツが、ゲームというコンテンツそのものに与える影響を紹介します。

 

eスポーツブームが「対戦要素」の導入を後押し

 

『バーチャファイター』は今なお10年前のタイトルで大会が開かれるほど対戦ゲームとして愛されているタイトルです。しかし、最近では対戦ゲームというカラーを全く持たなかったタイトルへ新たに「対戦」のテイストが盛り込まれるケースもあります。

 

2020年10月からニンテンドースイッチで配信が開始された『スーパーマリオブラザーズ35』は、誰もが知る横スクロールアクションに、最後の一人になるまで全プレイヤーで戦い続けるバトルロワイアルのテイストをプラス。

 

35人のプレイヤーがそれぞれ初代『スーパーマリオ ブラザーズ』のステージをクリアし続け、勝者が決まるまで対戦するというこれまでにない「アクションゲーム×バトルロワイアル」のゲーム性が話題を呼びました。

 

操作できるマリオは「一機」限りなのでとにかく安定を目指して得意なコースを周回するプレイヤーも居れば、倒した敵キャラを他のプレイヤーに送り込むために敢えて難解なステージへ乗り込むプレイヤーも。誰もが遊んだことのあるシンプルなゲームに対戦要素が加わることで、新たな戦略性が生まれた例と言えるでしょう。

 

マリオシリーズでは過去にも『スーパーマリオメーカー2』において、世界中のプレイヤーが作成したオリジナルコースで4人のプレイヤーが我先にゴールを目指す「バトルモード」が搭載されていました。

 

子供の頃、友人との間で起こりがちだった「マリオが一番上手いのは誰か」という競争が、高速通信によるオンライン対戦が当たり前になったことで世界規模にまで広がっているのです。

 

 

よりプレイしやすく、研究しやすく

 

新規タイトルの開発だけでなく、既存のタイトルにも変化は起こっています。

 

今まさに現役のeスポーツタイトルとして多くのユーザーを獲得しているタイトルも、次々と登場する新規タイトルとの競合を勝ち残るために工夫が求められます。特にeスポーツの人気によってゲーム内容で手が加えられやすくなったのは、バランス調整や練習モードの拡充です。

 

バランス調整については公平性が求められる競技において非常に重要視される部分であり、ユーザーからも要望が多いポイントです。競技シーンで活動していたプレイヤーが制作スタッフに加わって改善を目指すケースも見られます。

 

また、ユーザーが自由に練習が出来る仕組みもゲームバランスと同じく重要視されるポイントです。ゲームの基本的な操作を理解するためのチュートリアルだけでなく、ゲームの仕様を深く理解できるトレーニングモードはプレイの質を高め、競技のレベルを引き上げるのに不可欠な存在になりつつあります。

 

オンラインでの対戦が多くなる家庭用の格闘ゲームでは、オフラインの練習モードにおいて、通信ラグによる入力遅延を疑似的に再現した状態で操作練習が可能になっているなど、常に快適なゲームプレイが日々追及されています。

 

「観やすさ」の追及へ

 

そして昨今、プレイするだけでなくeスポーツの醍醐味である「観戦」についてもゲーム内の機能で補助する流れが生まれています。

 

過去にも一部のタイトルでは導入されていましたが、プレイヤー同士の対戦を試合に参加していないユーザーも観戦することが出来る機能が多くのタイトルで搭載されるようになりました。

 

これはプレイヤーが気軽に実力者同士のハイレベルな対戦を見て楽しんだり自身のプレーの参考にしたりという利用法はもちろん、オンライン上で大会を配信する際にも非常に役立つ機能です。2020年10月に実施された『ぷよぷよeスポーツ』を用いた初のオンライン公式大会では、アップデートによって実装された観戦機能が早速活用されました。

 

また、格闘ゲームやシューティングゲームでは爽快感を演出するための年齢制限を伴うグラフィック表現が定番になっていますが、競技シーンを年齢に関わらずプレイ・視聴してもらうためにそうした描写をオフにするフィルタリング機能を導入しているケースも目立ちます。

 

日に日に盛り上がりを見せるeスポーツ界。トッププレイヤーの鮮やかなプレーと共に、ゲームクリエイターが仕掛ける新たな魅力や細やかな配慮に溢れたゲームデザインにも是非とも注目してみてください。

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