この機会にeスポーツ「ならでは」の魅力を再確認したい

コロナがeスポーツに与えた影響

#eスポーツ

新型コロナウイルスの世界的流行が始まってから半年。今では「ウィズコロナ」という言葉も一般的になり、当面の間は感染症対策とは切っても切り離せない生活が続く見込みです。

 

いわゆる「三密」を避けた新しい生活様式では、各業界も大きな影響を受けており、宿泊業・飲食店を始めとするサービス業界は大きな打撃を受けています。しかし、自宅で過ごす時間が増えたことでユーザーを獲得している動画配信サービスのような例も存在します。

 

中でもゲーム業界はコロナ禍の中でも話題が多く、ゲーム機の需要が高まり売り上げを大幅に増やしたというニュースや、オンラインを通じて提供可能なエンターテインメントとしてeスポーツに注目が集まることもありました。

 

今回は、新型コロナウイルスの流行を経て、eスポーツ界に訪れた様々な変化を振り返ります。

 

オンラインで楽しめるエンターテイメントとして

現在は無観客試合などの対策をもって興行が進められているスポーツ界ですが、感染拡大が最も勢いを強めた春には世界的に数多くのスポーツ大会が中止・延期となりました。

 

そんな時期に注目を集めたのがeスポーツ、特にテニスやバスケットボールなど、現実のスポーツをモチーフとしたタイトルの数々です。顔を合わせずにオンラインで対戦が出来るというメリットを活かし、スポーツ大会の代替としてゲームを使用したオンライン対戦の大会が行われたことは記憶に新しいのではないでしょうか。

 

日本人テニスプレイヤーである錦織圭選手や大坂なおみ選手らが、お馴染みのキャラクターが登場するテニスゲーム『マリオテニスエース』を使用したチャリティー大会に出場したことは国内でも話題を呼びました。

錦織選手は他にもリアル志向のタイトルを用いた「バーチャルマドリードオープン」に出場しており、巧みなプレイぶりを披露していました。

 

他競技では、バスケットボール界でNBA公認ソフトを使用したイベントに八村塁選手ら現役選手が参加したり、モータースポーツ界ではこちらも公認ソフトを使用してF1レーサーによる現実さながらのグランプリ連戦が行われたりと、自粛期間中の「スポーツロス」を埋める役割をゲームが担う構図が成立しました。

 

参加したプロスポーツ選手が該当タイトルのコアユーザー、というケースもあり、イベントでは楽しくもハイレベルなゲーム対戦が繰り広げられました。

 

その多くは医療従事者へ向けたチャリティーや活動機会を失った選手に向けての補填という意味合いもありましたが、アスリートがゲームで真剣勝負を演じる様子はeスポーツを普段から観戦してこなかった人にも魅力を発信する貴重な機会となりました。

 

競技シーンもオンライン化

最大警戒の時期を乗り越え、スポーツ同様に中止になっていたeスポーツの競技シーンも徐々に再始動を迎えます。

 

無観客試合やリモート形式での実施となりましたが、eスポーツは兼ねてよりオンライン上のストリーミングサービスでの視聴文化が根付いていたこともあり、ファンにとってはそこまで大きな環境の変化とは言えないかも知れません。

 

しかし、大会運営の観点では、eスポーツ大会も大規模な大会となれば会場がファンでいっぱいになることもあり、入場料やグッズはマネタイズとして重要な要素でした。オフライン開催に向けて準備したタイムテーブルや演出、確保した会場など、全てをオンラインに向けて再構成する必要に迫られたことは大きな負担となったはずです。

 

プレイヤー視点でも、オンラインとオフラインには多少の違いが生まれます。

 

高速通信を駆使してもオンラインで発生する僅かなラグを完全に無くすことは出来ず、多人数同時対戦のゲームでは通信トラブルも起こりがちです。コンマ数秒を争う世界では小さなラグが大きなミスに繋がる可能性もあり、オフラインでの対戦を前提として練習を積んできた選手にとっては重大な環境の変化になりました。

 

 

それでも、このような状況を利用してオンラインでプロとの対戦が出来る交流イベントが実施されたり、これまで以上に観戦への配慮が進んだ配信が企画されたりと、eスポーツ大会もオンラインで100%に近い体験が楽しめるようなアイデアが取り入れられています。

 

世界大会は制限が続く見込み

様々な工夫を凝らして運営されているeスポーツシーンですが、どうしても国際大会だけは大きな壁が立ちはだかります。

 

オンラインでは通信のハードルが高く、かと言って無観客形式のオフライン大会を実施するには複数の地域から選手が国境を越えて参加することへの安全面がクリアできず、春から夏にかけての国際的な大会やeスポーツイベントは中止の判断を余儀なくされました。

 

情勢がやや落ち着きを見せたことで、10月にはようやく大規模な大会が開催される予定です。それが世界各国で人気を誇る『League of Legends』の世界最強チーム決定戦「World Championship(Worlds)」。例年なら複数の地域を数週間にわたって横断する形式で行われており、会場には何万人というファンが詰めかける、世界で最も人気のあるeスポーツイベントのひとつです。

 

しかし今年10月に行われる「Worlds 2020」は人員移動を最小限にするために全ての試合を上海で開催することになり、動員についても現時点では無観客の方針に。地域のガイドラインに沿った判断の下、感染者数などの状況によっては観客を入れての試合を実施したい意向を表明していますが、まずはオンラインでの視聴体験が良いものになるよう注力していくと発表されています。

 

今後は国や地域単位でコロナ禍の落ち着きを見せるケースも期待されますが、世界的な収束を迎えるまではリスクが大きい国際大会については、規模や形式を制限しながらの開催となることでしょう。

 

これらは止むを得ないこととは言え、世界大会の中止や規模縮小が競技シーンに与える影響は少なくありません。先述の「Worlds 2020」には渡航規制の問題をクリアできずにベトナム代表チームは不参加となることが決まっていますが、国内シーンの先にある目標が失われることが選手にとって非常に苦しい問題であることは、スポーツもeスポーツも変わりないでしょう。

 

今年限りにならないように

ここまで、約半年以上続くコロナ禍の下で見えてきたeスポーツへの影響について振り返ってきました。

 

どうしてもネガティブな情報が多くなりますが、大変な時期を迎えているのは決してeスポーツ界だけではありません。むしろ現時点では適切にイベントの中止や延期という判断がなされ、オンライン上でも可能な限りでイベントや競技シーンが進行されている適応の見事さを誇らしくも感じます。

 

この状況になってみて思うのは、過去に実施されてきたeスポーツイベントにも昨今の感染症対策やオンラインでの施策は十分に活かせるものがある。ということです。

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