「日本eスポーツアワード」の開催発表!

コロナ前の規模へ復活「東京ゲームショウ2023」現地レポート

#eスポーツ

2023年9月21日から24日にかけて、千葉県幕張メッセにて日本最大のゲーム展示会「東京ゲームショウ2023」が開催されました。

 

 

今年はコロナ前の2019年以来となる幕張メッセ全ホールの使用となり、昨年よりもスケールを拡大。44の国・地域から787の企業が出展し、オンライン会場での展示や関連イベントも多数行われるなど大きな盛り上がりを見せた東京ゲームショウの模様を、レポートでお届けいたします。

 

ゲーム環境を向上させるアイテムの出展が増加

 

東京ゲームショウでは各メーカーが力を入れている最新タイトルの発表や展示が大きなトピックとなりますが、それ以外にもゲームのプレイを快適にするためのデバイスやサービス、ゲーム開発にまつわる技術など、多岐に渡るジャンルからブースが出展されています。

 

キーボードやマウス、ゲームパッドなどのデバイスはもちろん、近年ではゲーミングチェアやデスクなど家具メーカーの進出も目立ちます。ゲーミングデバイスを実際に触って使い心地を確かめられる貴重な機会として来場者の注目も高く、商品を体験するために列に並ぶ人の姿も見られました。

 

中でも、今年の会場で増加傾向にあると感じられたのは「防音室」や、それに関連する出展です。外部へ音が漏れないようにする防音室は、元々は自宅に設置して楽器の演奏をする目的などから、音楽の分野で活用されてきた商品でした。近年は、時間帯を問わず声を出しながら活動したいプロゲーマー・配信者が利用し始めたことでゲーム方面での需要が発掘されており、昨年もオーディオ機器大手のヤマハがゲームショウにてオーディオ機器と共に防音室をブースにて展示しました。

 

 

音楽の分野に向けに開発された防音室は高い遮音性を追求しており、さらに大きな楽器も持ち込める広さに設計されているため、高価かつ導入には、それなりのスペースが必要とされます。そこで、今年のゲームショウでは、座ってゲームをプレイする環境を想定した、天井の低い省スペースな設計によって比較的安価に落とし込まれた防音室の出展が増えており、「防音」が本格的にゲーマー層をターゲットとした市場を開拓しつつあると感じられました。

 

他にも、防音設備と高速回線を備えた「ゲーミングマンション」という名称の賃貸住宅もブースを出展しており、一般ユーザーもゲームのプレイ環境を整えることに関心が高まっている市場が反映された会場の光景となったのではないでしょうか。

 

eスポーツでは「CRカップ」開催と「日本eスポーツアワード」の発表が話題に

 

eスポーツジャンルへ目を向けると、昨年から「eスポーツ」が出展社のコーナーのひとつに加えられており、今年もプロチームによるトークショーや物販、大会運営サービスのPRなど、多数のブースが出展されていました。今後、こうした「eスポーツ」コーナーのエリアが少しずつ広がっていくことで、競技大会の参加者や配信視聴者数とはまた違った形でeスポーツの盛り上がりを測る指標となっていくかもしれません。

 

会期2日目に行われたビジネスセミナー「TGSフォーラム」では「日本eスポーツ連合(JeSU)」がカンファレンスを実施。その中でeスポーツ界の功績・貢献を表彰する「日本eスポーツアワード」を2024年1月25日に開催、ならびにその受賞者を選定する投票を2023年10月1日からスタートすることを発表しました。

 

本アワードは、ゲームジャンルや年齢などさまざまな条件によって16の賞が設けられており、審査員にはメディアだけでなく現役キャスターや大会運営会社の役員などが名を連ねています。ジャンルの垣根を越え、eスポーツ界全体を盛り上げる賞となっていくのか、今後に注目が集まります。

 

また、今年は出展ブースや開場時間内のステージでは大規模なeスポーツ大会は実施されませんでしたが、会期3日目と4日目の閉場後には、メイン会場のイベントステージを使用し、人気プロeスポーツチーム「CRAZY RACCOON」が主催するインフルエンサー大会「CRAZY RACCOON CUP (CRカップ)」がオフラインで開催されました。チケットは東京ゲームショウとは別での発売となりましたが、連日多くの来場者が詰めかけ、人気配信者たちによる『ストリートファイター6』のチーム対抗戦に大きな声援を送っていました。

 

公式発表によると、今年は開催期間4日間の来場者数が約24万人と、冒頭でも紹介した前回の全ホール開催だった2019年の26万人と同等近い数字を記録。一般公開日には多くのチケット販売サイトにて入場券が売り切れとなっていたことからも、ほぼ想定の上限近い来場者となったと考えられます。

 

日単位で見ると3日目の9万6千人が最多で、最も混雑する時間帯ではホール間の移動にも一苦労するほど、幕張メッセ全体にゲームファンが集まるイベントとなった東京ゲームショウ2023。ゲーム市場は今なお拡大を続けており、今回のCRカップのように開場時間外にもファンを楽しませる取り組みは、来年以降も求められるのではないでしょうか。

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