日本企業のDX推進によくある課題とは?経産省「デジタル人材に関する論点」ポイント

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DX(デジタル・トランスフォーメーション:IT技術を活用してビジネスモデルや組織を変革させ、企業価値を向上させる施策)の必要性が叫ばれている中、多くの企業が直面する課題が、DXを担うIT技術を有する人材「デジタル人材」の確保についてです。

 

デジタル人材の採用・育成が進まない要因はどこにあるのか。また、そのような課題を解決するための具体的な施策は何があるのか。今回は経済産業省が2021年に発表した資料「デジタル人材に関する論点」を基に、デジタル人材をめぐるポイントをご紹介します。

 

デジタル人材をめぐる課題

 

マクロ課題:日本企業の戦略や雇用環境の課題

まずは市場や企業文化などの構造的な課題によるものです。主に経営層を対象に、以下の「4つの不足」が指摘されています。

①DXの必要性に対する経営者の認識不足

②DXに向けた戦略の不足

③デジタルビジネス・サービス創出のための取り組み不足

④業務の魅力・やりがいなどデジタル人材のモチベーションを高める取り組み不足

 

これらに対する改善策としてはまず求められるのが、経営層の意識改革です。日本企業では経営層のITリテラシーが不十分なためにDX戦略をコンサルティング会社などに依頼するケースが多く、自社内部から大きな変革を起こせずにいると先の文書では指摘されています。まずは経営層自身のITリテラシーをアップデートすることでビジョンを明確化し、具体的な戦略や新規事業計画に落とし込む必要があります。

また④に関しても「何のためにDXに取り組み、どのような価値を社会に提供するのか」というビジョンを打ち出すことで市場価値の高いデジタル人材にアピールすることも重要です。ハイエンド人材を惹きつけるスタートアップ企業などは、魅力的なビジョンを打ち出して採用力を高めています。

 

ミクロ課題:人材育成の課題

上記の課題を背景に、人材の採用・育成面の課題も指摘されています。既存人材がITスキルを学習する「リスキリング(既存人材がIT技術など新しいスキルを学習して市場価値を高めること)」が注目される中、DXに求められる具体的なスキルが共有されていないこと、スキルを評価する指標が乏しく人材の能力が可視化されていないことが課題として挙げられています。

 

これらの課題に対しては、まずはスキルを学習する機会を増やす取り組みが必要です。組織内の講習や、異なる企業の人材が参加する学習コミュニティの整備がこれにあたります。さらに学習だけでなく、獲得したITスキルを実践できる場が求められます。具体的には社内スタートアップのようなスモールビジネスや企画提案型の事業などが含まれます。このような取り組みでスキルアップを促進するとともに、ジョブ型雇用の活用、リスキリングの促進によって雇用流動化を高めることが求められています。

 

上記のような取り組みを企業努力だけで達成することは難しく、先の文書では行政による支援(DXに取り組む企業が評価される制度など)の充実、リスキリングの支援などが期待されています。

 

DX推進の大きな課題「時間コスト」に注意

 

以上が経産省の意見交換会などによって提案された施策です。これらをまとめると「組織体制や社内制度の整備」「新しい分野に挑戦する柔軟な企業文化の浸透」「リスキリングなどの人材育成強化による雇用流動化の促進」を民間企業が行い、行政はそれらをサポートする施策を打ち出すべき、とまとめることができます。

 

いずれの施策においても大きなネックとなるのが「時間コスト」の問題です。具体的なスキルの獲得や社内制度の整備に時間を要するのはもちろん、それらに積極的に取り組もうとする組織内の「空気感」を醸成するためには長い時間が掛かり、多くの企業が苦戦しています。

 

先の文書ではこれらの解決策として給与水準の引き上げによる採用強化、人材評価におけるインセンティブの支給などが提案されていますが、こちらは金銭面のコストが発生してしまいます。また仮に採用時の給与水準を引き上げたとしても最適な人材を確保できる保証はなく、時間と費用だけが闇雲に消化されてしまう……という最悪のパターンも想定されます。

 

これら「時間コスト」「費用コスト」を解決するために、最もシンプルな方法は外部リソースからデジタル人材がアサインさせる方法です。

 

「新規事業の立案にはプロデューサーやビジネスデザイナー」「DXの基盤システム構築にはアーキテクトやエンジニア」「システムの実装やデザインにはプログラマーやUI / UXデザイナー」と、プロジェクトの段階に応じた人材をアサインすることで時間や費用面の問題を大幅に圧縮できるからです。

 

一方で、この方法は短期的な解決策であることを考慮する必要があります。まずは長期的な目線で社内体制を整備しつつ、直近のプロジェクトには外部リロースを活用して運営していく体制が効果的でしょう。そのためにも外部リソースの選択には「企業の方向性を理解し、共に事業を成長させるパートナー」になるベンダーを慎重に選定する必要があります。

 

以上のようにDXを実現するためには一定の時間がかかりますが、外部リソースを活用することで時間・費用を短縮し、競合他社に差をつけることができます。

DXの推進に行き詰まった際は、まずはベンダーなどに相談することから始めてみてはいかがでしょうか。

 

この記事のまとめ

・DX実現には経営者の意識改革をはじめ、リスキリング支援などのマクロ面・ミクロ面双方の取り組みが必要。

・費用面に加え、多くの時間コストが必要。

・短期的には外部リソースのデジタル人材を適宜活用しつつ、長期的な目線の取り組みが求められる。

 

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