あえて習得を狙いたいニッチなプログラミング言語

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プログラミング言語は、世界中に数多くあるため、それぞれの業界トレンドによっては需要があるものもあればそうでないものもあります。過去に「SEとして活躍したい人必見!トレンドのプログラミング言語の押さえ方」の記事で紹介したJava、PHP、JavaScriptなどのように需要のある言語は習得していれば活躍の場は多いでしょう。一方、そうではない言語についてはプロジェクトも限られてしまうため、それらの習得を選択することは決して多くはないようです。

 

しかし、そんな需要が高くはない言語でも、中には習得しておくことで市場価値の高い人材になることが期待できるものもあります。新興の言語、特定の領域でしか需要が無い言語、などのようにマイナーな言語でも、そうした言語があるということ自体、同時にそうした言語を使いこなせるエンジニアも少ない、ということも言えるでしょう。今回はそうしたニッチなプログラミング言語を紹介します。

 

 Julia

「Julia」は、PythonやRなどとよく比較されるAI開発向けのプログラミング言語です。オープンソースなので無料で使用することができ、そのソースコードはすべてGitHubで見ることができます。特に高性能なシステムを作り出すことを目的に設計されており、Pythonよりもプログラムの実行速度が速く、主に科学演算などを扱うシステムの実装に適しています。PythonやRと比べると採用するプロジェクトはかなり少ないですが、AI開発の需要は今後高くなっていくことから、価値が上がっていく可能性は十分ある言語と言えます。

 

ABAP

「ABAP」(アバップ)は、世界で最も需要があるERP※パッケージの「SAP」のアドオン開発などに用いられる言語です。大企業でSAPを導入している企業は無数にあり、これからも採用する企業は数多くあることが予想されますが、そのエンジニアの数は多くありません。理由として、そのスキルの習得が難しいことが挙げられます。ABAPの参考書は出版されているものの数は少なく、またSAP開発の案件では対応する業務に合わせた専門知識や経験も必要になってくるため、個人で習得するのはかなりハードルが高いと言わざるを得ません。しかし、SAP自体に需要があるためABAPを扱えるエンジニアは非常に市場価値が高くなります。

 

※ERP(Enterprise Resources Planning)とは、企業資源(ヒト、モノ、カネ)の活用を最適化することを目的とするシステム

 

 

Rust

「Rust」は、主に「Performance(速度)」、「Reliability(信頼性)」、「Productivity(生産性)」を重視し今後も開発が続いていく比較的新しい言語です。今までシステム開発で使われてきたプログラミング言語の「パフォーマンスに問題がある」、「安全性に難がある」、「コーディングが難しい」などの欠点を解消できるように設計されています。たとえば、コンパイラのチェックが厳しくなっており、他の言語では実行時でないと検出できないメモリエラーなどのエラーをコンパイル時に発見できます。現時点では、人気言語と比べ採用されているプロジェクトは少ないですが、既存の言語の改善点を踏襲しているため、今後伸びていく可能性があります。

 

BluePrint

「BluePrint」とは、Unreal EngineというEpic Games社が開発したゲームエンジンで、ゲーム内の動作などを作る際に使用するプログラミング言語です。視覚的にプログラミングすることができ、現在トレンドになっているVR(仮想現実)やAR(拡張現実)などという技術を利用したコンテンツを作成できることが魅力です。特にグラフィックにこだわったゲームの開発に利用されることが多くなっていますが日本語の資料が少ないため、やや学びにくい言語です。だからこそ習得できればゲーム開発の分野では希少価値の高い存在になれるでしょう。

 

 

まとめ

今回はニッチではあるものの、習得することで市場価値の高い人材になれるかもしれないプログラミング言語について紹介しました。世間での需要がそこまで高くなくとも、特定の分野では重宝されていたり、今後普及していくような将来性がある言語はあります。ニッチな言語でもそうした可能性を秘めているものもあるので興味を持って学習してみるのも良いでしょう。

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