エクストリームのグループ企業を紹介!

エス・エー・エス株式会社 梅木代表特別インタビュー!

#グループ会社

 

「お客様に弊社の開発実績を紹介すると『本当に同じ会社でやられた実績ですか?』と、よく驚かれるんですよ」

 

そう切り出しながら事業内容を説明していただいたのは、2022年11月にエクストリームグループにジョインした、エス・エー・エス株式会社(以下、エス・エー・エス)代表取締役の梅木 元博氏。

 

エス・エー・エスの特色のひとつが、幅広い開発実績です。エンターテイメント事業では「甲虫王者ムシキング」など社会現象を巻き起こした大ヒットタイトルを開発。一方、業務システム等を手がけるシステムソリューション事業ではPC用アプリケーションやサーバ用システムをはじめ、海洋調査システムやIoT関連など、専門性の高いプロジェクトを手がけています。

 

▲エンターテイメント事業部のオフィスの様子

 

今回はエクストリームグループの紹介記事として、梅木氏のインタビューをお届けします。エス・エー・エスの歴史や強み、エクストリームグループとして目指す今後の展望など、様々なトピックを語っていただきました。

 

40年以上変わらない「技術で世の中に貢献する」という想い

 

 

– エス・エー・エスは1980年創業と、非常に長い歴史があります。

 

「弊社はハード開発を得意とするシグマ電子株式会社とソフト開発を得意とするシステムテクノロジー株式会社が合併し両社の頭文字を取ってエス・エー・エス株式会社(S And S)と社名変更して、自社製品のコンピューターシステム『sAs100』を開発したのが始まりです」

 

 

– 事業の特長に関して、まずはエンターテイメント事業から教えてください。

 

「双方の事業に共通するのですが、弊社の強みである『ソフトもハードも開発できる』『受託だけではなく、企画立案から対応できる』という2点を活かした開発が特長です。そのためスマートフォンアプリゲーム、コンシューマーゲーム、アーケードゲームやアミューズメント施設向け筐体など、多彩な実績を有しています」

 

– 一番印象に残っているプロジェクトはありますか。

 

「やはり『甲虫王者ムシキング』ですね。『今までにない子ども向けゲームをつくろう』と意気込んだものの、開発は苦労続きでした。それでも、実際に発売してみたら大ヒットし、テレビアニメ化や公式大会の開催など、社会現象を巻き起こすタイトルに成長しました。一世を風靡したタイトルに携わることができて、まさに開発者冥利に尽きる体験でしたね。この成功はエス・エー・エスにとって、大きな自信になりました」

 

▲コンシューマーゲーム版など「甲虫王者ムシキング」メディア展開例の一部

 

– 子ども向けタイトルを多く手がけていますが、意識して選んでいるのでしょうか。

 

「弊社は開発する上で、とにかく単純でわかりやすいことを重視しています。例えばアーケードゲームは説明書が無いので、直感的に操作できるUIが求められます。その点が評価されて、いつしか子ども向けタイトルのお声がけを多くいただくようになりました」

 

ゲームセンターから海洋調査まで、幅広い開発実績で培った技術力

 

▲システムソリューション事業部のオフィスにはハード類が並ぶ

 

– 続いては、システムソリューション事業に関してお聞きします。

 

「海洋研究用の海底検査機用の制御装置や水中用無線装置の開発など、海洋事業関連の豊富な実績が強みのひとつです。海洋事業は洋上風力発電事業などSDGsの観点からも更なるニーズが予想されるので、積極的に係わっていきたいと考えています。その他にも組み込み技術をベースにしたIoT関連などにも注力しています」

 

– エンターテイメント事業で培ったノウハウが活かされている点はありますか。

 

「代表的なものが、業務用システムのUI改善です。とある海洋調査関連のプロジェクトでは、調査用の水中ロボットアームをより簡単に操作できるよう、テレビゲームのコントローラー感覚で扱える操作デバイスを開発しました。クライアントからは『直感的な操作感で作業しやすい』『生産性向上につながる』と、非常に好評でした」

 

– 実はエクストリームの代表である佐藤も「わかりやすいUIの最先端を走っているのはゲームだ」と常々発信してきました。

 

「その通りだと思います。特に業務用システムの場合はUIが洗練されていないものも多いので、今後もエンターテイメント事業で培ったUIのノウハウを活かしていきたいと考えています」

 

「自分たちでもできるはず」ひとつのチャレンジから始まった自社企画

 

▲実際にプレゼンで使用した、ダンボール試作版「みんなのダービー」の筐体

 

– エス・エー・エスの強みである企画力はどのようにして身につけられたのでしょうか。

 

「最初から積極的に企画開発していたわけではなく、最初は受託開発のみでした。それでも開発ノウハウが蓄積されるうちに『自分たちだけでも、魅力的なタイトルを開発できるのでは?』と思うようになっていきました。最初に提案した企画は、競馬をテーマにしたアーケードゲーム『みんなのダービー』です」

 

– どのような企画意図だったのでしょうか。

 

「当時の競馬ゲームは競馬のルールに詳しい人を前提に作られていたので、競馬の知識がない方でも楽しく遊べるゲームにニーズがあると考えました。メーカーに提案する時はプレイ時のイメージが伝わりやすいよう、ダンボールで筐体の実物大ダミーを作って提案し、製品化が決まりました。今ではアーケードゲームに関しては、基本的に自分たちから提案して開発しています」

 

– 他にも自社開発の企画事例はありますか。

 

「印象的な事例のひとつが『もしかして? おばけの射的屋』です。縁日の射的をイメージし、画面に表示されるキャラクターを銃型のデバイスで倒すゲームです。全国のゲームセンターで大人気になり、コンシューマー版としてNintendo Switchに移植されヒットタイトルになりました。このような経験によって企画ノウハウが社内に蓄積され、さらなる企画開発につながる好循環が生まれていきました」

 

▲酒田市の企業展示会に試作版を出展した際の様子。行列ができるほどの人気に手応えを得て、この試作版をベースに『もしかして?おばけの射的屋』となって商品化された

 

いくつものヒット作が生まれた拠点、酒田エス・エー・エスでの取り組み

 

▲2023年1月に移転したばかりの酒田エス・エー・エスの事務所

 

– 山形県酒田市の子会社、酒田エス・エー・エス株式会社について教えてください。

 

「エス・エー・エスの創業者が酒田市出身だったことがきっかけで、1985年に設立されました。私が新卒で入社したのも酒田エス・エー・エスになります」

 

– 業務的な棲み分けは行われているのでしょうか。

 

「あくまで一部署というイメージなので、大きく業務を分けているわけではありません。例えば『甲虫王者ムシキング』の開発も酒田エス・エー・エスが中心になって行われました」

 

– 山形県内で事業を展開する強みはありますか。

 

「ひとつは人材面です。東北圏のデジタル人材には『エンジニアとして働きたいけれど、首都圏に生活拠点を移すのは不安』というニーズが少なくないので、優秀な人材の獲得に繋がります。また、学生インターンの受け入れや地元のビジネス展示会への出展など、地域に根ざした取り組みも数多く実施しています。酒田市役所の中町庁舎に事務所を移転したこともあり、今後は地元との連携をより深めたいと考えています」

 

多彩なプロジェクトへのチャレンジが成長の秘訣。エクストリームグループとして、さらなる躍進へ

 

 

– 2つの事業部で大きくカラーが分かれている狙いはありますか。

 

「特に意識して分けているわけではなく、あくまで長年の取り組みの結果だと考えています。そもそも以前は事業部を分けていなかったので、技術者には専門性を大事にしながらゲームも業務用システムも分け隔てなく対応してもらいたいです」

 

– あくまで「ものづくり」が好きな方が集まっているんですね。

 

「プログラマーでいえばソフトウェア開発としてきちんと設計ができる人は、業務系でもゲームでも対応できると思います。逆に言えば、ゲームが好きな人だからといって、面白いゲームを作れるわけではないですよね?根底には確かな技術や経験が必要ですし、そのためには分野を問わず、多彩なプロジェクトを経験するべきだと思います」

 

– 一方、現在のIT業界では分業化、スキルの専門化が進んでいるように思います。

 

「その点は弊社としても悩みどころです。クライアントからは専門性を求められる一方、人材教育としてスキルはあまり固定化してほしくない。だからこそ、今後はノウハウの継承がますます重要になると考えています」

 

– 最後に、エクストリームグループにジョインした経緯を教えてください。

 

「一番の要因は最近のプロジェクト規模が大型化、多様化していることです。デバロッパー単独での対応が厳しくなる中で、得意分野を持った企業同士が集まるプロジェクトチーム型の開発スタイルが求められるようになると常々考えていました。その中でエクストリームグループは豊富な人材リソースや営業力、『池袋西口公園 extremeイルミネーション』に代表される発信力など、弊社にない強みを持っています。お互いのノウハウを共有することで、エクストリームグループとして共にステップアップできると考えました」

 

– 今後の展望やチャレンジしたい分野はありますか。

 

「これは個人的な見解ですが、コロナ禍で屋外での遊びが少なくなった子どもたちやファミリーに対して『リアルな触れ合いもやっぱりいいね』と、皆を元気にさせられるようなコンテンツに挑戦したいと思っています。これからも『技術で世の中に貢献する』という経営理念の元、お客様に信頼され喜んでいただけるものを生み出す技術者集団として、100年続く会社であり続けたいと考えています」

 

 

梅木代表、ありがとうございました!

 

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