7月、大阪に新たなホテルがオープンし話題を呼んでいます。
その名も「esports hotel e-ZONe ~電脳空間~」
大阪・日本橋という西日本におけるサブカルチャー文化の中心地に登場した、これまでにない『ホテルでありながらハイスペックなPC設備を備えており、宿泊先でも気軽にeスポーツが楽しめる』新施設について、支配人の平田一馬さんに詳しくお話を伺いました。
──本日はよろしくお願いいたします。
平田一馬氏(以下、平田):e-ZONe 支配人の平田と申します、よろしくお願いいたします。
──「eスポーツ ホテル」というアイデアは非常に斬新だと思います。この施設が完成した背景にはどのような経緯があったのでしょうか。
平田:アイデア自体は新たな宿泊施設を企画するにあたって「単なるホテルではなく何か特色を足そう」という所からスタートしました。と言いましても、私は運営の段階から参加させて頂いているので細かい経緯まではお伝え出来ないのですが、いくつかの候補の中から大阪・日本橋という立地もあって「eスポーツ」が選ばれた、と聞いています。
──そんなe-ZONeさんの、eスポーツホテルならではの要素を改めてご紹介いただいてもよろしいでしょうか。
平田:やはり最大の特徴は3フロア展開しているPCフロアですね。一般的なホテルにおける宴会場の立ち位置で運営しておりまして、PCだけでなくスクリーンも常設しております。eスポーツの大会を観戦しながら自分でプレイをする、そんな楽しみ方も可能です。
──eスポーツの大会をPCフロアで開催して、そのままホテルに宿泊することも可能になるんですね。
平田:そうですね、幅広いご利用方法を想定しております。
──PCフロアにはどのような機材が揃っているのでしょうか。
平田:eスポーツの大会にも対応できるハイスペックなPCを用意しています。ただ、ハイスペックなPCの台数は10台と決して多くはないので、ご利用者の方にはミドルスペックなPCをご使用いただくことが多いかなと思います。
──その分、初期投資が抑えられているので、コアゲーマーだけでなくライトなユーザーも利用しやすい価格設定になっているように感じます。
平田:はい。PCフロアは1時間250円からご利用可能ですし、目的も決してゲームを楽しむだけに限定している訳ではありません。
例えば、「CAD」のようなソフトを動かせるノートPCを持ち歩いている方というのは多くないですが、出先で急にデータの調整が必要になるケースもあるかも知れません。そうした場合でも当施設のPCでしたらスペック的にも十分に対応可能ですので、ビジネスシーンでもご活用いただけると考えています。
──eスポーツのイベントを開催したい場合は、PCゲーム以外のタイトルでも持ち込みでならご対応いただけるのでしょうか。
平田:コンシューマ機でも、お客様の持ち込みでしたらご利用いただくことは可能で、スクリーンなどの設備を使用したイベントを行うことも可能です。
──当初は2020年春のオープンを予定されていましたが、新型コロナウイルスの影響を受け、7月3日にプレオープンを迎えるという形になりました。やはりこの影響は大きかったのでしょうか。
平田:宿泊施設という形態上、感染症については十分に対策しなければなりませんでしたので、予定通りのオープンは実現できずに7月まで様子を見ることになりました。
現在はマスクの着用や検温、消毒を徹底したうえで運営しており、マスクをお持ちでないお客様には配布もさせて頂いております。構造上、PCフロアではデスクの幅もあってそこまでお客様同士が密接することはありませんので基本的なことに気を付けています。
──プレオープン期間が始まって、ご利用された方の反響はいかがでしょうか。
平田:これまでに宿泊でご利用された方はドミトリーよりも個室の方が人気ですね。特にホテルの客室内にハイスペックなPCを複数台備えた施設は他にはないですから、そこは当施設のPRポイントだと考えています。もし今後更にeスポーツホテルを展開するのであれば、そうした設備に特化した施設にも出来ると感じています。
──e-ZONeで今後このようなイベントを行っていきたい、あるいはこのような方に利用して貰いたい、と言ったビジョンはありますか?
平田:まだアイデアの段階ではありますが、eスポーツの大会をライブビューイングで観戦しながら実際にそのタイトルを遊ぶことも出来る交流会のようなイベントが出来たら、とは考えています。これまでもeスポーツ関連のライブビューイングというのはありましたが、実際にプレイも出来て、終わった後にはそのまま宿泊も出来るというのは当施設ならではのイベントになるのではないでしょうか。
──「e-ZONeでしか出来ないイベント」も沢山ありそうですね。ゲーマーにとってどのような施設にしていきたいですか。
平田:私は今のゲームのコミュニティはそれぞれが分離している「村」のような状況になっていると感じています。eスポーツ業界がここから先細りしていかないためには、その「村」を繋げて「町」へと発展させていくことが必要だと感じていますし、そこで重要な役割を担えるのが当施設だと思います。
──ゲームやeスポーツが好きな人たち同士のコミュニケーションが生まれる場所ということですね。
平田:かつてゲームセンターでコミュニティが発展していったようなイメージですね。コミュニティイベントやファンミーティングなども行いやすい設備が整っていると思いますので、今後はそうしたケースで沢山ご利用いただければと思います。
──本日はありがとうございました。
平田:ありがとうございました。