デバイスメーカーのeスポーツへの参入

#eスポーツ

近年、様々なデバイスメーカーがeスポーツへの参入を試みています。
例えば、マウス、キーボード、ヘッドセットなどが、eスポーツにおける主要なデバイスとして挙げられます。各メーカーによってeスポーツ用に作られたデバイスは「ゲーミングデバイス」と呼ばれ、それは野球選手がグローブやバットを選ぶように、料理人が包丁を選ぶように、eスポーツ選手にとってゲーミングデバイスは慎重に選ばなければならない重要なツールです。

 

 

既に参入しているデバイスメーカーの多くは、自社製品の販売促進のために、プロのゲーミングチームやプロeスポーツ選手のような、eスポーツ関連のインフルエンサーとスポンサー契約をしています。アパレルブランドが影響力のあるモデルに服を着せるように、デバイスメーカーにも、そうしたインフルエンサーによるプロモーションが必要なのかもしれません。

 

実際に、デバイスメーカーはインフルエンサーと共に自社の新製品の発売イベントを開催することがあります。広告だけでは伝えることのできない商品の優れた機能や特徴を、インフルエンサーがその場のプレイで実践し、詳細に説明します。具体的なゲームシーンで、憧れのプレイヤーによって解説されることが、ユーザーの購買意欲の喚起に繋がることは容易に想像できます。このようにインフルエンサーを使ってのイベントプロモーションが、コアなターゲットユーザーをピンポイントに、効率良く購買行動に促すことができ、インフルエンサーの影響力はeスポーツ業界では絶大と言えるでしょう。

 

このように既存メーカーが奮闘する一方でとても興味深いのが、eスポーツへの参入について意識的ではないメーカーがプロeスポーツ選手やユーザー側からの支持によって、eスポーツ業界に参入するパターンがあるということです。

 

今回は、ヘッドセットやイヤホンを主たる製品として持つデバイスメーカーを例に紹介したいと思います。
ゲームにおいて音を認識することは、BGMやイメージサウンド、効果音といった演出を楽しむ以外に、ゲームの勝敗を左右するとても重要な要素のひとつと言えます。既存のデバイスメーカーとして有名なところで言えば、「RAZER」、「Hyper X」といったメーカーが挙げられますが、プロeスポーツ選手が自身のスタイルや好みで既存のゲーミングデバイスメーカーではないヘッドフォンを愛用したことがきっかけとなり、その反響からeスポーツへ参入した音響メーカーもあります。

 

 

日本の音響機器メーカーである「オーディオテクニカ」もそんなメーカーのひとつです。eスポーツの世界大会でオーディオテクニカのイヤホンを使ったチームがあり、そのチームの活躍によって、ユーザーからその製品が注目されるようになったのです。それ以降、「オーディオテクニカ」は、eスポーツ関連のメディアに露出するようになりました。また、同じように音響機器製品を主力としていた、ドイツの老舗メーカーである「ゼンハイザー」はゲーム部門を設立し、アメリカの「SHURE(シュア)」もeスポーツ選手とスポンサー契約を結びました。

 

音楽鑑賞向けに作っていた製品を、性能の良さや適性からプロeスポーツ選手が愛用し、その反響にメーカーも注目する、というように、これらのメーカーにとっては新たなマーケットが生まれたわけです。

 

これは一つの例ですが、ゲーミングデバイス及びその周辺機器や関連製品は、まだまだ開拓途中の市場であり、多くの可能性があります。こうした展開を踏まえると未だeスポーツに参入していない企業は、自らの商品がゲーミングデバイスと親和性があるかを見極めることも新たなマーケットを生むきっかけになると言えます。

 

このようにeスポーツに参入するデバイスメーカーが増えることは、eスポーツ界にとって喜ばしいことです。なぜなら製品の種類が増え、その性能や特色に厚みがでることは、プレイの質の向上にも繋がります。ゲーミングデバイスの多様性は、プロeスポーツ選手やユーザーにとって、より自分に合った製品を選択することが可能になる、という大きなメリットになるのです。

 

eスポーツの更なる発展に伴い、ゲーミングデバイスの需要も増え、プロeスポーツ選手やユーザーからより一層、その精度や多様性が求められるようになります。各メーカーはその拡大したマーケットを無視することはできなくなり、デバイスメーカーの更なる参入が、これからのeスポーツの発展に大きく貢献することでしょう。

 

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