インターネットを通したコミュニケーションという視点で考えると、スマートフォンが台頭してきた2000年代初期から20年程度で大きく変化しているように思われます。個人が起点となって、一人ひとりがブログやSNSで容易に情報発信できるようになっていることや情報にアクセスできるようになっていることがその変化の要因として挙げられるでしょう。SNSだけを切り取っても主流サービスの移り変わりやそのサービスの使われ方によって、情報への関わり方が変わってきているようです。
■SNS時代への理解
現代は個人が容易に情報を発信できる時代であり、主にSNS(Facebook、Instagram、Twitter、LINEなど)で、個人間での情報交換・コミュニケーションが行われています。SNSは利便性が高いため、様々な用途で利活用されている非常に有効なツールの一つですが、使い方を間違えてしまうと逆効果になることもあるので、SNSの特性を十分に理解し、利用する必要があります。情報を読み解き活用する能力である「情報リテラシー」が重要となるのです。
■情報発信・収集する際の注意点
では、SNS時代において意識すべき点には、どのようなものがあるのでしょうか。以下、具体的に情報発信・収集する際の注意点を見ていきましょう。
1.個人が特定される可能性がある情報はむやみに公開しないこと
日常の写真などは時に住所など個人情報を流出させるものになります。写真などを投稿する場合は特に個人情報の流出に注意し、必要以上に公開することも避けましょう。
2.情報発信の際は、他者への誹謗中傷になっていないか確認すること
個人の何気ない発言が時に他人に迷惑をかけてしまうこともあります。SNSに自身の言葉を投稿する場合、その内容が特定の個人に対しての誹謗中傷になっていないかなど、問題になる部分が無いか十分にチェックするようにしましょう。
3.情報発信する際は、著作権・肖像権の侵害に十分に注意すること
SNSに写真、イラストなど、それらの管理元の許諾を得ないでアップロードすると著作権や肖像権の侵害になる可能性があります。必ず規約などで使用上の注意を確認してから使用するようにしましょう。
4.情報はできるだけ複数の信憑性の高いメディアから収集すること
情報はテレビ、ラジオ、政府のホームページなど、できるだけ信頼できるメディアから得るようにしましょう。また複数のメディアから情報を取得することで同じ情報でも客観的な理解ができるようになります。特に災害時などは「情報の確かさ」が重要になります。
5.SNSで個人から得た情報は、できるだけ他のメディアでも事実確認をすること
SNSは個人が情報発信できるため、個人の主観が入った、時に悪ふざけで偽の情報が流れるということもあります。具体例を挙げると、2016/4/14に熊本地震が発生した際に「動物園からライオンが逃げた」という偽の情報がTwitterで拡散されてしまい、被災地が混乱しました。SNSは無数の情報を収集することができますが、個人が情報を発信できる仕組みになっているため、このようにSNSでは間違った情報が出回ることも少なくありませんので、SNSの情報は懐疑的に見ておくぐらいがちょうどいいかもしれません。また、情報を得る場合はその内容だけでなく発信元も覚えておき、信憑性の低い発信元の場合は後で事実確認できるようにしておくと良いでしょう。
これらに共通することとして、そもそもインターネットが不特定多数に開かれたものであり、誰もがアクセスできるということを念頭に置いた上での情報発信・収集を心掛ける必要があります。今後はさらに、無数にある情報を利活用していく能力が求められるため、インターネット(SNS)、テレビ、新聞など各メディアの特性を理解し、「情報リテラシー」を身につけておくべきだと言えるでしょう。