日本では知られていないタイトルも上位に!
データで見る、2025年の人気eスポーツタイトル勢力図

#eスポーツ

日本のeスポーツシーンの特徴と言えば「格闘ゲームが強い」「FPSの人気が高い」というイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。実際にそうしたジャンルの人気に加え、「家庭用ゲーム機が広く普及していること、さらに、PCゲーム市場も近年拡大している」という背景もあり、日本では幅広いタイトルが親しまれています。

 

また、eスポーツにおいては国や地域ごとで、人気タイトルやプレイ人口など様々な特色があるのも興味深いポイントであり、新たなタイトルの登場や既存タイトルのアップデートによって、トレンドは変化を続けており、中には日本向けにリリースされていないタイトルが海外では大きな人気を博しているケースも存在します。

 

今回は2025年のさまざまな統計データを基に、グローバルで人気のeスポーツタイトルについて紹介します。

 

「モバイル」と「MOBA」が海外人気のキーワードに

 

eスポーツの人気を測る際には「同時視聴者」がひとつの指標となります。世界中の配信プラットフォームのデータを集計しているeスポーツ専門プラットフォーム「Esports Charts」によれば、2025年の「ピーク時視聴者数」が最も高かったタイトルは日本でも多くのプレイヤーを抱える『League of Legends(LoL)』で、世界大会の決勝戦は実に675万人もの視聴者数を記録しました。

 

そして、2位は400万人を超える視聴者数を記録した『モバイルレジェンド:Bang Bang(MLBB)』です。1位の『LoL』と同様に、MOBAジャンルではあるものの、こちらはタイトル通りモバイル向けの作品で、主にフィリピンやインドネシアと言った東南アジア地域や中東などで絶大な人気を誇っています。その手軽さから、月間で1億人以上のユーザーにプレイされているほどで、2025年の「eスポーツワールドカップ(EWC)」でも最も視聴された部門でもあり、日本で名前を聞く機会は少なくとも世界有数のeスポーツタイトルであると言えるでしょう。

『LoL』や『ポケモンユナイト』が知られているMOBAジャンルは、日本では主流とは言えませんが、このランキングでは4位に『Dota2』、8位に『王者栄耀』がランクインするなど、上位に多くのタイトルがランクインしており、モバイルを含めて世界的な人気ジャンルであることが伺えます。

 

FPSジャンルでは2000年代から続く『Counter-Strike 2』が3位と最上位であり、日本でも人気の『VALORANT』が5位にラインクイン。いずれもラウンド制で進行する5vs5の戦略的なFPSタイトルが上位で人気を分け合っている状況で、『LoL』と『VALORANT』を手がけているRiot GamesはTOP5に2タイトルを送り込んでいることも特筆すべきでしょう。

 

さらにFPSの中でも大勢のプレイヤーが同時に対戦する「バトルロイヤル系」ジャンルでは『PUBGモバイル』の6位が最上位で、先にリリースされていたPC版の『PUBG:バトルグラウンズ』は10位。モバイル版が本家を追い抜く人気となっていることからも、モバイル版の手軽さは多くのユーザーに親しまれるために重要な要素であることが分かります。

 

日本国内でも一大ブームを巻き起こした『FORTNITE』や『Apex Legends』もランキングに名を連ねており、まだまだ人気は健在。日本では完全に定着したと言える『ストリートファイター』は格闘ゲームの中では最も人気ではありますが19位と、世界的に見るとジャンル全体でまだ成長の余地を残していることも分かります。

 

 

賞金額の過熱は落ち着くも、各国で独自の人気タイトルが成長中

 

なお、中国大手のeスポーツ・ゲーム配信プラットフォームは明確な視聴者数を公表していないため、ここで紹介しているランキングデータには中国の数字が含まれていない点にも注意が必要です。

 

中国でもeスポーツの人気は高く、2025年11月に北京で開催されたモバイル向けMOBAタイトル『Honor of Kings』の世界大会決勝戦では、関係者を含めて約6万2千人の来場者を記録し、「eスポーツ試合史上最大の観客数」のギネス記録を更新しています。

 

同タイトルは前述の同時視聴者数ランキング13位でしたが、Esports Chartsによる「2025年の賞金総額ランキング」では3位に位置しており、中国での圧倒的な人気がeスポーツシーンを支えていることが伺える数字となっています。

 

また、この2025年の賞金総額ランキングでは『Counter-Strike 2』が1位となり、2014年から首位を守り続けてきた『Dota2』を抜いたこともひとつのトピックです。『Dota2』はゲーム内アイテムの売上を世界大会の賞金に上乗せする方式を世界で初めて採用したタイトルであり、2021年には世界大会の賞金が4,000万ドル(約60億円)に到達したことも話題を呼びましたが、その後は賞金額の過熱は落ち着き、遂にトップの座を譲ることとなりました。

 

MOBAジャンルと「モバイル向け」が人気の要素となっている海外に対して日本国内はと言えば、タイトル別のデータは公表されていませんがFPSでは『Apex Legends』や『VALORANT』が人気を集めており、どちらも世界大会の日本開催が実現していることもその裏付けとなっています。2026年5月には『Overwatch』の国際大会が東京・立川で実施されることが既に発表されており、冒頭でも紹介したようなFPSジャンルの中でもチーム制でキャラクター性の強い作品が好まれて、よくプレイされていると言えるでしょう。

 

2年連続での『ストリートファイター6』世界大会が両国国技館で開催されていますが、国内に目を向けても格闘ゲームジャンルは今なお成長中で、現状の”格闘ゲームブーム”と言える状況からどこまで各タイトルがユーザーと人気を獲得できるかで今後の状況は変わってくるでしょう。

 

こうした地域差は非常に興味深い要素でもあり、eスポーツワールドカップのような多種目による複合イベントでは普段目にしないようなタイトルにも目を向けてみる面白さがります。2026年に愛知県で開催されるアジア競技大会のeスポーツ種目では『MLBB』や『Honor of Kings』が採用されており、日本でこれらのタイトルの大会が開催される非常に珍しい機会となっています。

 

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