日本代表の奮戦に大きな声援も

Riot Gamesの2タイトルでオフライン世界大会が再開

#eスポーツ

世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスの影響はeスポーツの世界でも例外ではありません。今なお、多くの大会がオンライン形式で開催されています。しかし2021年5月、このような情勢下で久々にオフラインで大型の国際大会が開催されました。

 

大会が行われたのは『League of Legends(LoL)』と『VALORANT』の2タイトル。共にRiot Games社が開発した、世界中でプレイされているタイトルであり、開催地となったアイスランドのレイキャビクには各国から代表チームが集結しました。今回は日本代表も参戦した両大会の模様を振り返りながら、コロナ禍でのオフライン大会の開催について考えます。

 

 

LoL」部門ではDFMが奮戦

 

現地時間5月6日にまず開幕したのは『LoL』の「Mid-Season Invitational 2021(MSI)」です。同タイトルでは毎年秋に年間最大の国際大会「Worlds」が開催されますが、今大会の結果によって各地域の代表枠が変動するという重要な位置づけの招待制大会です。

 

「LoL」は公式リーグが各国で開催されており、そのSpringシーズンを制したチームが代表として参戦する形式となっています。日本からは国内リーグで圧倒的な強さを誇り、国際舞台の経験も豊富なDetonation FocusMe(DFM)が出場しました。「LoL」において日本は決して強豪国には数えられませんが、代表のDFMは過去に日本チーム初となる「国際大会での決勝トーナメント進出」を果たしている実力あるチームです。

 

昨年の「Worlds」の覇者である「DAMWON Gaming」と同組の厳しい予選グループに組み込まれたDFMでしたが、格上と目されるマッチアップにも臆せず立ち向かい好プレーを連発します。かつて世界大会で敗れたチームを相手にリベンジを果たすと、世界王者「DAMWON」戦でも勝利まであと一歩に迫る激戦を披露。この展開には時差の関係で深夜の観戦にも関わらず日本語配信に多くのコメントが寄せられ、チームを応援するハッシュタグ「#DFMWIN」がTwitterのトレンド入りを果たすなど国内ファンも離れた地で戦う代表チームへ懸命に声援を送りました。

 

その後の試合でも接戦を演じたDFMでしたが、結果は惜しくもグループ3位に終わり予選リーグ突破はなりませんでした。しかしこの奮戦は連日話題を呼び、早くも次の国際舞台へ向けて期待の声も聞かれています。6月からは早くも国内リーグのSummerシーズンが開幕しており、次なる国際舞台へ向けて大いに盛り上がりを促す大会となりました。

 

激戦を制して代表の座を勝ち取ったCRが「VALORANT」で世界へ

 

『LoL』に続いて開催されたのは、チームFPSタイトル『VALORANT』の世界大会「VCT Masters」です。2020年6月にリリースされて以来、同タイトルでは初めてとなるオフラインでの国際大会として注目を集めた大会で、日本からは「Crazy Raccoon(CR)」が参加しました。

 

代表チームは各地域での選抜大会「Challengers」を経て決定されましたが、国内では常勝を誇っていた「Absolute JUPITER」を激戦の末に撃破して代表の座を勝ち取ったCRには大きな期待と声援が寄せられました。『VALORANT』の競技シーンには類似タイトルから移行して活動を行っている選手も多く、前タイトルから続く長いライバル関係には今後も注目が集まっています。

 

本大会でのCRは北米とヨーロッパのチームに敗れ残念ながら勝ち星を挙げるは出来ず、悔しい結果に試合後のインタビューでは涙を見せる選手の姿もありました。ですが、大会の日本語配信やミラー配信に数多くの視聴者が集まり、CR敗退後のトーナメントも数万人が見守ったことから、彼らの奮戦は競技シーンのアピールとしては非常に大きな手応えを感じさせるものとなったのではないでしょうか。

 

これまでとは違う、新しいオフライン大会へ

 

5月に行われた2つの世界大会。どちらも日本代表チームにとっては悔しさの残る結果となりましたが、コロナ禍で世界各国から代表チームが集まってのオフライン大会が大きな問題やクラスターの発生もなく無事に執り行われたという事実はeスポーツ界全体における非常に良いニュースと言えるでしょう。

 

大会中はチーム間の接触もほぼ見られず、対戦中は外しているマスクを試合が終わるとすぐに着用する姿が印象的でした。コーチからチームへの指示も別室からボイスチャットを通して行われるなど随所に感染対策が施されてはいましたが、配信上ではリアルタイムで選手の反応を見られるオフライン大会ならではの特別感を懐かしむコメントも多く見られ、その醍醐味を味わいました。

 

 

しかし、まだ残念ながら全ての大会が急速にオフラインへと戻っていくとは考えづらい状況が続いています。6月に行われた『ApexLegends』の公式世界大会でも当初の予定を変更し、オンラインで地域ごとの王者を決定する形式で開催されました。通信環境を考慮するとオンラインでは最大でも「地域ごとの国際大会」が限度となりますが、当面はこのような形式も多くなると予想されます。

 

現在は世界的にワクチンの接種が進み、感染拡大に歯止めがかかり状況が好転することに期待が集まってはいますが、仮に情勢が落ち着いたとしても今後数年間は国際大会の運営には慎重な姿勢が求められることでしょう。大規模な大会ほど、会場の確保は難しく、選手も海外渡航の際には隔離期間中の練習や行動に特別な規律が求められます。ファンとしても不測の事態による予定の変更や欠場が起こり得ることを頭に入れ、節度ある応援姿勢を大事にしたいものです。

 

運営側も、参加する選手も、そして観戦する人も。今後は「コロナ禍を乗り越えたオフライン大会」へのノウハウを蓄積していくことが求められます。

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