ベトナムの活気が、日本のITを変える。エクストリームとポールトゥウィンベトナムが語る、これからのグローバルIT事業

日本のIT人材不足が深刻化する中、海外拠点の活用は、単なるコスト削減から、高品質なプロダクトをスピーディに生み出す事業モデルへと進化しています。

多種多様な人材と開発力を強みとする「エクストリーム」と、品質保証・テストを強みとする「ポールトゥウィンベトナム」は、どちらもベトナムに拠点を持ち、ベトナム人材を生かしたサービスを提供してきました。お二人の出会いからこれまでの縁そして今後のビジョンまで、これからのグローバルIT事業の未来を語ります。

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30年来の縁。エクストリームとポールトゥウィンベトナムをつなぐ絆

-お二人はどういう経緯で知り合われたのですか。

佐藤:およそ30年前、私は前職で家庭用ゲームの開発責任者をしていました。当時のポールトゥウィン様からデバッグ業務のご提案をいただき、あるソフトについて支援をお願いすることになりました。そのソフトは、結果として数十万本売れる大ヒットになり、そこから長いお付き合いが始まりました。一時期はあまり交流がなかったのですが、当社がベトナムでM&Aの検討をし、現地を訪れた際、そこに松本さんがいらっしゃったんです。「なんでベトナムにいるんだろう」と。運命の再会だと思っています。

松本:佐藤社長は、出会った当初から仕事に真剣に向き合われている姿が印象的でした。偶然にもベトナムで再会したときは、何か深い縁を感じましたね。

人と国の活力に惹かれて。ベトナムという選択の理由

▲ポールトゥウィンベトナム株式会社 代表取締役 松本 公三氏

-ベトナムを拠点にして久しいお二人が感じる、ベトナムの良さを教えてください。

松本:やはり優秀な人材の確保がしやすいという点に尽きます。開発もテストも人がいてこそですが、ベトナムは日本語や日本に対して親近感を持ってくれる国民性があって、非常に仕事がやりやすいです。他の東南アジアの国も検討したことはありますが、結局最も仕事をする環境が整っていると感じたのがベトナムでした。

佐藤:ベトナムは、本当に若くて真面目な人が多いですよね。日本が忘れてしまったものが、ベトナムにはまだたくさんあるように思います。我々の世代でいうと、一回目の大阪万博の前のような雰囲気を感じます。

松本:高度成長期の勢いを感じますよね。ベトナムでは、今もマンションの下に降りると、大勢の子供たちが遊んでいる光景に出くわします。日本では、このような光景を見る機会は減ってしまいましたね。ベトナムは活気があって、人口も増えていることを実感しますね。

佐藤:特にコロナ禍の前は、ベトナムはグローバルパートナーシップの代表的な拠点の一つで、「オフショア開発=開発費が安い」というイメージを持たれることが大半だったと思います。しかし、昨今の経済状況を鑑みると、もはや日本人が「海外で開発すると費用が抑えられる」と捉えること自体、正しいとはいいきれないのではないかと思います。

それでもわれわれがお客様にグローバル開発体制を提案するのは、海外には日本にない良いところがたくさんあると感じるからです。さきほど述べた真面目さや若さ、人口が増えているという勢い、そして「幸せになりたい」と技術を懸命に習得する若者がたくさんいることを、正しく評価すべきだと思います。

松本:同意します。採用活動をしていると、人材の優秀さをひしひしと感じます。ポールトゥウィンベトナムにも、たくさんの応募をいただきますが、中には「日本語ができて当然、英語もできる」という人材もたくさんいます。日本でこのような人材を確保しようとすると、ものすごく難易度が高いです。当社での仕事は、英語必須というわけではないですが、英語も話せる人材を確保していることで、当然業務の守備範囲が広がりますし、営業面での強みにもなっていると思います。

▲株式会社エクストリーム 代表取締役社長CEO 佐藤昌平氏

-反対に、ベトナムに拠点があることで生じた課題感も伺えますか。

松本:ポールトゥウィンベトナムは、もともと「日本語を話せる=コミュニケーションができる人」を採用して、その人材にテスト業務を教えるというスタンスで人材を確保してきました。コミュニケーションを起点に採用活動をしていますので、たとえばテスト業務の専門資格を持つ人材の数が、まだ少ないことが課題の一つです。

佐藤:私は、物理的な距離はどうしても無視できない課題の一つだと思います。しかし近年は、オンラインミーティングの普及によってだいぶ解消されてきました。ベトナムは海外の中でも、時差が2時間しかない国ですので、実務上は不自由を感じることは少なくなってきました。そのうえで、きちんとした関係構築の方法をこれからも確立していくことで、さらに乗り越えていける課題だと考えています。

松本:言葉や文化の違いもありますね。ただベトナム人は日本の漫画やアニメが好きな人も多く、日本語で読みたい・見たいという思いから日本語を学んでいる人が多いんです。それもあって、日本人特有の「空気を読む」といった感覚も、比較的教えやすいと感じています。

-日本の企業がベトナムに開発やテストを依頼する際、気にすべき点や成功のポイントはありますか。

松本:お客様がよく心配されるのが、ベトナムの人材が「日本のゲームやサービスの中身を、本当に理解してくれるのか」という点です。実際に、日本にはあるがベトナムにはないサービスはよくあります。その壁を乗り越えるのは、たしかに大変です。

しかし、当社はスタッフに実際にサービスを使ってもらい、商品理解をしっかりしてもらった上でテストをおこなうようにしています。難しいことですが、商品理解さえうまくいけば、日本国内と同等以上のクオリティを出せると自信を持っています。

佐藤:私はお客様には、ベトナム拠点への発注であっても、日本国内への発注と基本的には変わらないと考えていただきたいと思っています。ポールトゥウィンベトナムさんもですが、エクストリームでもしっかりブリッジ役を用意しています。もし機会があれば、実際にどんな現場でやっているかは、ぜひご覧いただきたいですね。

AIは脅威か、追い風か。現場から見る変化とは。

-ベトナムでの開発・テストの現場にもAIの波は来ていますか。

松本:AI開発は世界のトレンドですが、当然ベトナムにも波は来ていると思います。ベトナムはAI投資にかなり力を入れている印象です。テストの分野で、組織はこれまでマネージャー・リーダー・作業者のピラミッド型でしたが、AIが入ることで逆三角形になっていっているような感覚があります。

佐藤:私の見立てとしては、AIによって作業者が少なくなる変化が起きても、同時にサービスの量自体が増えていき、結果として必要な人材の総量は変わらないんじゃないかと考えています。AIはITという技術の延長線上にあるツールであって、技術者の領域自体がなくなるわけではないと思います。

-最後に、エクストリームとポールトゥウィンベトナムとして、今後どんな取り組みができそうか教えてください。

佐藤:エクストリームとポールトゥウィンベトナムは、開発とテストとで、事業領域が重複していません。だからこそ、何か大きなことを一緒にやってみたいですね。具体的なサービスの形はまだ想像できていませんが、30年近い縁を経て、これから一緒に大きな成果を出していけたらと思っています。

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