「麻雀」+「萌え」という新ジャンルを
切り開き、独自のポジションを確立!


『桃色大戦ぱいろん』シリーズは、ソリューション事業において蓄積した技術力を生かし、2008年9月に「麻雀」に「萌え」という要素を加えたPCオンラインゲーム「桃色大戦ぱいろん」として自社プラットフォームにてサービスを開始しました。
広く一般に認知されている「麻雀」に「萌え」という要素を組み込んだオリジナリティーの高さが評価され、多くのファンを獲得することに成功し、国内で約40万人の会員を獲得しました。また、2011年4月には待望のブラウザ版がニコニコアプリでリリースされ、さらにファンの裾野が広がりました。
本作品では、プレイヤーの分身となるキャラクターを逐次投入するとともに、キャラクターボイスに人気声優を積極的に起用することでユーザーを飽きさせることなく、サービス開始7年を経過した現在でも多くのファンの支持を得ています。
2015年12月からは、「桃色大戦ぱいろん」と「桃色大戦ぱいろん・生」がシリーズ統合され、新たなスタートを切るとともに、「NEWぱいろん」なる新作の展開も予定されています。
今回は、本作のプロデュースを担当している当社社員、佐藤政幸が、プロジェクトの振り返りと今後の展望などについてコメントします。
※本コンテンツは、2016年2月16日現在の事実に基づいて制作しています。

開発秘話

MMO全盛期に「麻雀」+「萌え」という独自路線企画で挑む

Q今でこそ「桃色大戦ぱいろん」の知名度は定着しましたが、MMO全盛の時代になぜ「麻雀」+「萌え」だったのでしょうか。


Aこれは当社の歴史というか沿革が物語っています。「桃色大戦ぱいろん」がサービスを開始したのは2008年。当社が設立されて3年目のときでした。会社設立当初は受託事業からスタートしましたが、メサイヤ出身者もおりましたので、自社コンテンツを出したいという気持ちは皆持っていました。色々と検証を重ねる中で、家庭用ゲームと比較して、オンラインゲームは参入障壁が低いこと、受託事業を通じて培った通信系スキル(当時はLAMP系プロジェクトが多かった)が大いに生かせるだろうということで、具体的な企画がいくつか持ち上がりました。
「麻雀」+「萌え」という基本的なコンセプトは実は社長が考えたんですよ。家庭用ゲームを長年経験して来て、売れるものにもさまざまなパターンがある。当時は海外製のMMO-RPGが全盛期でしたが、これは家庭用ゲームでいうと王道RPGが売れるようなもの。我々としては、まだそこまでの大作を作る資金も人材もいない。そこで考え方を切り替えて、長く地道に売れるものを作ろうと。ほら、よくゲームセンターでも目立たないエリアに麻雀ゲームって置いてあるじゃないですか。あれと同じです。実は麻雀ゲームってインカム(収益)がコンスタントに出るんですよ。ファミコンでも初めて100万本売れたタイトルは「麻雀」ですし。ただ、「麻雀」をそのまま出しても面白くない。本格志向のオンライン麻雀ゲームは既にいくつかありましたから。だから、我々は我々に出来るオリジナリティーを考えて、「萌え」に行きついたわけです。


Q企画書は相当のボリュームだったとか…


A実は私は初期の開発には関わっていないので、詳しいことは把握していないのですが、プロジェクトの担当者になった時、当時の企画書を見せてもらいました。今まで、いくつかのゲーム開発プロジェクトに関わってきましたが、確かに大変ボリュームのある内容でした。
というのも、単にゲームの内容や仕様が記載されている企画書ではなくて、事業計画書としての位置付けもあったからでした。先程お話しした通り、「桃色大戦ぱいろん」は会社設立3年後にサービス開始した作品です。開発には1年半以上かかったといいますから、設立して比較的早いタイミングで自社コンテンツ開発に取り組んだわけです。しかし、会社にはまだ潤沢な開発資金はない。そこで、開発資金を都合するためにベンチャーキャピタル(投資家)から資金を調達し、体制を整えたそうです。投資を募るには、当然リターンを見据えた説明と根拠が必要です。そのような背景から、企画書は単にゲーム内容が書かれたものではなく、プロジェクトが成功する根拠や利益計画が綿密に練られたものになったというわけです。


Qエクストリームではマーケティング視点が重要なんですね。


Aその通りです。当社の企業コンセプト「まじめに面白いを創る会社。未来の楽しいを造る会社。」に表われているとおり、エンターテインメントだからこそ、緻密なマーケティングと斬新な企画が融合しなければならないのです。現在のゲームマーケットはチャンスもある一方、レッドオーシャン化が進み、何となく売れそうな要素だけを盛り込んだゲームは多数のタイトルの中に埋もれて日の目を見ません。「桃色大戦ぱいろん」シリーズが7年以上続いているのも、企画立案時の緻密なマーケティングと斬新な企画が融合したからだと考えています。社内で立ち上がる新しい企画についても、常に緻密なマーケティングと斬新な企画という2つのキーワードが社員で共有されています。


国産オンラインゲームとしてのプライド

Q開発は社内で行ったのでしょうか。


Aはい。当時は海外製のオンラインゲームを日本向けにローカライズ・カルチャライズして運営する会社さんが多かったのですが、当社は「MADE IN JAPAN」にこだわって開発しました。これも当時における独自性の一つのエレメントなのですが、「国産オンラインゲーム」というセールスポイントは長くに渡って活きました。ただ、開発は手探りで、実はほとんど完成に近づいたバージョンを一旦お蔵入りさせて、新たに作り直したなんて事実もあったそうです。


Qキャラクター開発もゼロベースだったとか。


Aとにかく手作り感満載というか、これは今でも同じなのですが、キャラクター設定やコンセプトワークは全て自社で行っています。キャラクター作成をお願いする作家さんももちろん自社開拓(笑)色々なイベントに参加して制作をお願いしたり、作家さんのネットワークから広げて行ったり、単に外注しないスタンスを続けて行ったことで、作家さんネットワークも膨大なものになりました。これは当社の数字に出て来ない資産だと思っています。


Q声優さんのキャスティングも豪華ですよね。


Aありがとうございます。声優さんのキャスティングは色々な仕事の中でも特にワクワクする部分です。起用方法についてよく聞かれるのですが、基本的にはキャラクターの雰囲気に合わせたフィーリングです。もちろん、人気の声優さんを起用したいなどのビジネス的思惑はありますが、不思議と声優さんの起用については、プロジェクトメンバーの中でもサクサク決まるんです。セリフ台本ももちろん社内で作っています。



ユーザーとともに歩む

プロデューサーの佐藤政幸氏

Qオンラインゲーム運営で留意している点は何でしょうか。


A3つあります。
1つ目はスピード。ユーザーさんのお問い合わせやご意見に速やかに対応し、お客様満足度を向上させていくこと。
2つ目はクオリティ。常に快適なプレイ環境が維持できるよう、細かい機能修正や機微な不具合も徹底的に改修する。
3つ目はチャレンジ。長い期間運営していますから、マンネリ化しないよう、ゲームイベントなども常に新鮮味があるものを考えています。単にゲームの世界だけではなく、世の中のトレンドや新しい娯楽なども参考にしながら運営に取り入れて行く。あれ、この3つって当社の行動指針と一緒だ(笑)


Qユーザーさんとともに成長してきました。


Aおっしゃる通りです。オンラインゲームでは、時にはユーザーさんとチャットなどで直接交流しながら運営することもあり、施策や運営方針などについてご意見をいろいろといただいてきました。リアルタイムでユーザーさんの反応がいただけることと、改善すべき点は速やかに対応することでさらに反応をいただけること、常にユーザーさんのおかげで「桃色大戦ぱいろん」シリーズは成長できたのだと思います。


Q実際にユーザーさんの意見を取り入れた事例があれば教えてください。


Aこれはもう、いろいろですね。実装キャラクターのリクエストや季節限定イベントのアイデア、「こんなガチャ作って!」といったものまで。出来る限りご要望にお応えしてきたつもりです。また、今後もお応えして行きたいと考えています。


ゲームコンテンツの枠を超えて

Qオンラインゲームってプロモーションが難しいですよね?


A家庭用ゲームやスマートフォンアプリはテレビCMを活用するケースも多いと思います。「ラングリッサー」についてもテレビCMを実施しました。それは、浅く広くターゲットを獲得するためだと思います。しかし、オンラインゲームはプレイする方のマーケットが比較的限定されています。そのような環境下では、単に資金を投下して宣伝を行うという手法ではなく、確実に興味を持っているユーザー層に向けてさまざまな手法を用いてアプローチして行くことが重要です。


Q具体的にはどんな手法でしょうか。


Aもちろんネット広告などがユーザー開拓という点では主軸になりますが、「桃色大戦ぱいろん」ではマルチチャネル戦略を取っています。具体的には、「桃色大戦ぱいろん」を単なるゲームコンテンツとして捉えるのではなく、一つの作品、IPとして活用して行くということです。今までにライトノベル、音楽CD、トレーディングカード、フィギュア、ノベルティグッズなどゲーム以外の世界に飛び出して作品の知名度を上げてきました。中にはご提案をいただいて商品化されたものもありますが、こちらから積極的に売り込みに行ったものもあります。このような複合的なプロモーションを展開することで、現在の地位が確立できたのだと考えています。


Qニコニコ生放送も行っていますね。


Aオンラインゲームと生放送の親和性は非常に高いですね。以前も出演声優さんを招いて実際に「桃色大戦ぱいろん」麻雀大会を行ったり、ユーザーさんを招待して雀荘で大会を行ったりなど、リアルとバーチャルの融合を常に意識しながら、ユーザーさんが楽しめるコンテンツ制作を心がけています。


「桃色大戦ぱいろん」進化論

Q今後のシリーズ展開について教えてください


Aプロモーションのところでもお話ししたのですが、「桃色大戦ぱいろん」は単なるゲームコンテンツの枠ではないと考えているんです。なんというか、一つのステージというか「ぱいろんワールド」に多様なキャラクターが集って、それぞれが新たな世界感やストーリーを作っていく。もしかしたら、「ぱいろんワールド」から本物のアイドルが生まれるかもしれないし、人気声優が誕生するかもしれない。極端な話、女性キャラクターだけではなく、男性キャラクターも出てくるかもしれない。とにかく何が最終形なのか、自分自身も想像がつかないんです。それだけ、「桃色大戦ぱいろん」という作品の柔軟性というか、発展性というものに可能性を感じています。もちろん、「NEWぱいろん」についても鋭意考えています。具体的なお話しはこれからですが、ぜひご期待いただければと思います。


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